2020/07/09 16:10
<ココがこう!>
丸で囲んでる部分をよく見てみて!
すこーしだけ反ってます。
コレ、こだわりです。
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前に紹介した「少し小さなお椀」の話の続き。
シンプルさってパッとみたらすぐわかるけど、
使いやすさって見てもわかりにくかったりします。
そして、その、使いやすくする為にどうすればいいのか
って事は一回の経験では答えがでません。
何回も試行錯誤を重ねて答えに近づくわけです。
その工程を先人の経験値として受け継いでもらえるのが
伝統であって、
伝統工芸の強みなのかなと。
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で、この〇で囲まれた部分。
お椀の縁の部分で「口縁(こうえん)」って言います。
この部分が少し反ってるのを
わたなべ木工芸では「端反(はぞり)」って言ってます。
ネットでみたら「はぞれ」って書いてありましたが
まー、同じ意味です。
この「端反」、なんで反る必要があるのかわかりますか?
・口当たりが優しい。
・汁がスッと口の中に入ってくる。
・持ちやすい。
・見た目がいい。
答えはこの4つ。
たった、数ミリの違いなのですが、使い心地はぜんぜん違います。
ちなみにこの「端反」の形で作るのって
刃物の加減だったり、サンドペーパーの当てる感じが難しかったりします。
難しいのに、見えにくい部分なので
すごくコスパが悪いです。
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ドヤ顔でこんな事書いてるわけですが、
僕のような凡人が普通にお仕事してて、
この数ミリの大きな違いに気付けたかって言われたから
まず ”無理” なのです!!(ドヤッ!)
このお椀一つを例にだしてみても、
数十年かそれ以上かけて、
細かい違和感を取り除いてきて
「普通」ができてるのかなと。
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ほかにも色々と良いところが
あるんだけど、また今度。
では、またー☆彡