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  • 2022/11/21 11:51

    <わたなべ木工芸の昔話>
    最近、家族で昔の話をよくしています。
    父に聞く話と
    母に聞く話は全然違っていまして。
    父は、
    「昔はたくさん売れて良い時代だった。」と言い、
    母は
    「昔は借金の返済が大変で夜も眠れない日が多かった。」
    と言います。
    僕の記憶では、残念ながら後者です。
    全然潤ってた記憶はないし、そんなもんだと思ってました。
    木地師の仕事は漆器の木地を作る事。
    漆を塗る前の状態のものを作る事です。
    今では、そういう仕事はしてないのですが、
    昔はその仕事が忙しくて従業員を雇用して
    仕事を回していた時代があります。
    作れば売れるという時代だったそうです。
    今では想像もできません。
    当時は富山県の庄川地域の産地には40ほどの
    木地師の工房がありましたが
    現在は10程度。
    そのほとんどが年金受給者って感じです。
    なぜ、こんなに仕事が減ってしまったのかと言うと
    プラスチック製品がでてきたから。
    今では当たり前のプラスチック製品が
    昔は少なかったのかと
    そこに不思議な気持ちになったりします。
    そして、わたなべ木工芸は
    その木地の仕事が減ってくるタイミングで
    漆塗りを自分でするようになって
    オリジナルの漆器を
    製造販売するようになり
    木地のお仕事をするのをやめたそうです。
    時代に合わせて変化する事が大切。
    良い時代は戻ってこないけど、
    これからも小さく、しぶとく、
    やっていけたらなって思います。