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  • 2023/08/04 13:55




    わたなべ木工芸の漆器は普段使い用として作っています。
    漆器といえばハレの日に使うイメージの方も
    多いかもしれません。
    でも、せっかくなら毎日使ってもらえるモノを作りたい。
    その為に大切にしている事を今回は書いていきたいと思います。

    1、ツヤをおさえる
    漆器ってツヤがキレイなピカピカなイメージはないですか?
    それも素敵なのですが、
    わたなべ木工芸の場合は普段使い用なので
    ツヤはできるだけ抑えています。
    その方が傷が目立たないし、使い込むほどにツヤがでてきて
    経年変化を楽しむ事ができます。
    個人的には、ツヤがない方が上品で高級感があると
    感じています。

    2、安定感のあるデザイン
    例えば、汁椀だと高台の直径を小さくして高さを高くすると
    おしゃれに見えるかもしれませんがなんとなく不安定に感じます。
    実際に不安定なわけではなくても、
    汁物が入ってるモノが不安定に見えるのは
    気持ちの上で若干のストレスを感じると思うんですね。
    なので、見た目の安定感も大切にしています。

    3、装飾がない
    シンプルな物ほど使いやすい。
    長く使っても飽きのこないデザインにする為に
    装飾はせずに木や漆の良さを活かした作りになっています。

    4、持ちやすさまで意識したデザイン
    滑りやすさ、重さまで意識しています。
    筋入りのデザインや溝のあるデザインは持ちやすさを意識しています。
    実際に漆器の弱点として滑るイメージがあるので、
    その部分を改善できるように考えています。
    重さは、材料の厚さで大きく変わってきます。
    材料によって個体差はあるのはしょうがないですが、
    持った時に違和感のないように
    全体の厚さのバランスを考えて作っています。

    5、漆の塗り重ねが多い
    見えない部分まで手を抜かない。
    むしろ見えない部分ほど気をつけています。
    塗りの回数を減らしても見た目の違いはそんなにありませんが、
    使いこむほどにその差は大きくなります。
    数年使ってからその違いがでてきます。

    6、塗り直し、修理ができる
    数年使って漆がはげてくる事はありますし、
    落として欠けてしまう事もある。
    その場合でも、できるかぎり修理させていただいています。
    お値段は3000円〜くらいで状態によって変わってくるんですが、
    何年も使ってきて愛着が湧いて使ってくださっている方が多いので
    修理される方がたくさんいます。
    僕としても使用状態が見れるので有難いなーって感じています。

    こんな感じで今回は
    普段使いの漆器として意識している事を書きました。
    書きながらイメージしているのはお椀です。
    ちょうど今月の目玉商品におすすめのお椀がありますので
    ぜひぜひ、よろしくお願いします。
    では、またー。