2025/06/24 11:45
木軸ペン(もくじくぺん)という言葉を聞いて、
「どんなペンなの?」「普通のペンとどう違うの?」と感じる方も多いかもしれません。
木軸ペンとは、木でできた軸(ボディ)を持つペンのこと。
読み方は一般的に「もくじくペン」とされることが多いですが、
なかには「きじくペン」と呼ばれる方もいます。どちらも意味は同じで、
“木のぬくもりを感じられるペン”という魅力には変わりありません。
こんにちは。
わたなべ木工芸 渡辺です。
創業75年の伝統工芸の工房で木のシャーペン・ボールペンを作っています。
最近ではSNSやクラフトイベントでも注目され、
贈り物や趣味の文房具として木軸ペンを選ぶ方が増えてきました。
この記事では、
木軸ペンとは何か/人気の理由/どう選べばいいのか を
木軸ペンをつくる職人としての視点もまじえながら、解説していきます。
木の道具が好きな人も、これから選ぶ人も、参考にしていただけたらうれしいです。
木軸ペンとは?
木軸ペンとは、天然木で作られた軸(ボディ)をもつペンのことです。
シャープペンシルやボールペンの外側部分を、木工技術によって一本一本丁寧に削り出して仕立てています。
見た目が美しいだけでなく、木の手触りや香り、重さや温もりなど、
使うたびに自然素材ならではの心地よさを感じられるのが特徴です。
同じ樹種であっても、木目や色合いはすべて異なるため、
1本1本が世界にひとつだけのペン。量産品にはない特別感があります。
一般的な仕様としては、
・シャープペンシル(芯径0.5mmが主流)
・ボールペン(回転式やノック式など)
といったタイプが多く、実用性も兼ね備えた筆記具として日常使いにもぴったりです。
最近では、
・国産の銘木を使ったクラフト品として
・伝統技術を活かしたハンドメイド文具として
注目が集まり、文具好きの方々やプレゼント用途で選ばれる機会も増えています。
木軸ペンが人気の理由
天然素材のぬくもりを感じられる木軸ペンは、ここ数年でじわじわと人気を集めています。
なぜ今、多くの人に選ばれているのか? その理由を3つに分けてご紹介します。
1. 手にしっくりなじむ、やさしい使い心地
木軸ペンは、金属やプラスチックのペンと比べて手触りが柔らかく、握ったときの感触がやさしいのが特長です。
木の種類や太さによって違いはありますが、長時間使っても手が疲れにくく、
「気づいたらこればかり使っている」という方も少なくありません。
2.経年変化を楽しめる
天然木は、使い込むほどにツヤが出て色が深まり、世界にひとつだけの“自分だけの風合い”に育っていきます。
使いはじめの表情と、半年後、一年後の表情が変わっていくのも、木軸ペンならではの楽しみです。
3.贈り物としても喜ばれる
「大切な人へのプレゼントに選びたい」という方も多く、
木軸ペンは卒業祝、就職祝、父の日や誕生日など、節目の贈り物としても人気です。
名入れ対応やラッピングに対応しているお店も多く、
「気持ちを込めた特別な贈り物」として選ばれています。
木軸ペンの選び方(初心者が知っておきたい最低限)
木軸ペンは種類が豊富で、はじめての方は
「どれを選べばいいの?」と迷ってしまうことがあります。
ここでは、最低限おさえておきたい “選び方のポイント” をまとめました。
1. 好きな色・木目で選ぶ
まずは「見た目の好み」で選んで大丈夫です。
木軸ペンは毎日目にする道具なので、気に入った色や木目のものが長く使えます。
・明るい色 → 欅・桑
・落ち着いた色 → 神代欅
といったように、木材の雰囲気で選ぶのもおすすめです。
2. シャーペンかボールペンか
木軸ペンには
・シャープペンシル
・ボールペン
の2種類があります。
普段よく使うタイプを選べば問題ありません。
仕事でメモを取る人はシャーペン、
手帳や書類にサッと書きたい人はボールペン、という選び方でOKです。
3. 持ち心地(太さ・重さ)で選ぶ
木軸ペンは、金属製よりも軽く、太さにも適度なゆとりがあります。
手の大きさや書き方のクセで、持ちやすさが変わります。
実店舗があるなら、実際に握ってみるとイメージがつかみやすいです。
4. 仕上げの違いを知っておく(オイル・蜜蝋・漆)
木軸ペンは仕上げによって触り心地が変わります。
・オイル仕上げ:さらっとして自然な質感
・蜜蝋仕上げ:少しなめらかで手に吸い付くような感触
・漆仕上げ:ツヤ感が強く、耐久性も高い
選ぶ際は、触り心地の好みで決めてOKです。
選び方のポイントはたったこれだけ。
難しい知識がなくても、気に入った一本を選べます。
おすすめ樹種3選
木軸ペンに使われる木材はさまざまありますが、
ここでは初めての方にもおすすめしたい代表的な3種類の木をご紹介します。
それぞれに見た目や質感、手触りの違いがあり、
「どんな木を選ぶか」でペンの雰囲気も大きく変わります。
欅(けやき)
明るく力強い木目が特徴の欅は、日本でも古くから建築材や家具材として使われてきた定番の銘木です。
しっかりとした木質と、ほどよい重み、手にしっくりなじむ感触があり、
木軸ペンの入門にもぴったりな一本です。
ナチュラルで親しみやすい色合いなので、はじめて木の文具を選ぶ方にもおすすめされています。
神代欅(じんだいけやき)
神代欅は、地中に長年埋もれていた“古代の欅”を掘り出した希少な木材。
長い年月を経て黒褐色に変化したその色合いには、重厚さと深みがあります。
静かな存在感と歴史を感じさせる雰囲気から、
落ち着いた色味を好む方に選ばれることが多いです。
桑(くわ)
明るい黄色〜黄金色の木肌が特徴で、経年で深い飴色へ変化する材。
木目がやわらかく表れ、上品であたたかみのある印象になります。
軽やかな雰囲気と和の美しさをあわせ持ち、
男女問わず人気のある国産材のひとつです。
まとめ|木軸ペンは、自分らしさを楽しめる相棒
木軸ペンは、ただの文房具ではなく、
使うたびに手になじみ、木の表情が変化していく“育てる道具”でもあります。
黒柿のように個性が際立つものから、欅のような素朴で親しみやすい木まで、
選ぶ木によってペンの雰囲気も大きく変わります。
ぜひ、自分の好みや気分に合わせて、ぴったりの1本を見つけてみてくださいね。
贈り物としても、日々の相棒としても、
きっとあなたの手にやさしくなじんでくれるはずです。
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