2025/07/22 11:30


「桑(くわ)の木軸シャーペンってどんなペンなの?」
そう思う方もいるかもしれません。

木軸ペンの中でも、桑の木はちょっと特別な存在なんです。
やさしい黄金色の木肌が使い込むうちに深みを増して、
飴色のような落ち着いた色に育っていく。
しかも、和の雰囲気を感じる独特の表情が魅力です。

今回は、職人のぼくが 「桑の木軸シャーペンが人気の理由」と「そのすごい特徴」 を、わかりやすくお話しします。
ちょうど再販のタイミングなので、桑の魅力をじっくり知ってもらえたら嬉しいです。

桑の木軸シャーペンとは?

桑(くわ)の木って、昔から日本でとても大事にされてきた木なんです。
特に養蚕(ようさん)に使う桑の葉が有名で、昔は「家の繁栄を支える木」として親しまれてきました。
そんな歴史ある木を使ったのが、この桑の木軸シャーペンです。

桑の木は、最初はやさしい黄金色が特徴ですが、
使い込むうちに少しずつ色が深まり、飴色や焦茶色に近い落ち着いた雰囲気へと変わっていきます。
今回の再販では、もともと色の濃い焦茶色のものもあって、
黄金色とはまた違った大人っぽい表情を楽しめます。

さらに、運が良ければ杢(もく)と呼ばれる特別な模様が出ることも。
同じ桑でも一本ごとに個性があり、使うほどに自分だけの色に育っていくのが魅力なんです。

桑の木にまつわるストーリー


実は、ぼくが木軸ペンを作り始めたきっかけは、工房に眠っていた良質な端材をなんとか有効活用したいと思ったことでした。
その中でも、桑の木は昔から高級材として大事に保管されていて、特別な存在でした。

久しぶりにその桑の端材を手に取ってカットしたとき、
表面の焦茶色と、切った断面に現れた明るい色とのコントラストに心から感動したんです。
「木ってこんなに変化するんだ」と実感した瞬間でした。

今回の再販分には、内部までしっかり濃い色のものもあります。
正直、この違いがどうして生まれるのか、まだはっきりとはわかっていません。
でも、作ってみると、濃い色のもののほうが不思議と美しい杢が出やすいような気がしています。
これが偶然なのか、木の成長環境に理由があるのか…
もう少し調べてみようと思っています!

桑が人気の理由

桑の木軸シャーペンが人気なのは、見た目の美しさだけじゃありません。
実は、桑の木には古くから“縁起の良い木”としての意味があるんです。

たとえば、養蚕(ようさん)で使われる桑の葉。
養蚕は昔から家の繁栄を支える大切な産業だったこともあり、
桑の木は「長寿」や「繁栄」「健康」を象徴する木とされてきました。
そんな背景から、人生の節目や贈り物に選ばれることも多いんです。

さらに、ぼくが工芸の世界にいたからこそわかるのですが、
桑の木は 江戸指物(えどさしもの)や和家具、琵琶などの楽器 といった、
高級で繊細な工芸品にもよく使われてきました。
それだけ木としての質が高く、美しさと耐久性を兼ね備えているということなんです。

そして、桑の木は経年変化がとてもきれい。
最初のやさしい黄金色から、少しずつ艶をまといながら深い飴色に育っていきます。
この変化が「木を育てる楽しさ」につながって、長く使いたくなるんですよね。

桑の木軸シャーペンのすごい特徴

一番の魅力は、色の経年変化です。
桑の木は、他の木軸ペンの素材よりも 変化が早く、しかもはっきりと色が深まるのが特徴。
新品のときは明るい黄金色をしていますが、
使い込むうちに艶が出て、飴色や焦茶色にまで濃くなっていきます。
数か月でもその違いを実感できるので、まるでペンが“成長している”ような感覚を楽しめるんです。

さらに、木目の個性も大きな魅力。
木軸にできる部分は限られていて、一本ごとにまったく違う表情を持っています。
今回の再販分には、黄金色のものだけでなく、
最初から焦茶色に近い落ち着いた色味のものも含まれています。
運が良ければ、杢(もく)と呼ばれる特別な模様が浮かぶことも。

そして、桑ならではの和の雰囲気と手触り。
すべすべとした優しい質感は、手に取るたびに温もりを感じさせてくれます。

こんな人におすすめ

桑の木軸シャーペンは、こんな方にぴったりです。

・2本目以降の木軸ペンを探している方
色の変化をじっくり楽しめるので、木軸ペンに慣れてきた方におすすめです。

・“和”の雰囲気や落ち着いたデザインが好きな方
明るい黄金色から焦茶色まで、和の空気感がしっかりと感じられます。

・贈り物に特別感を出したい方
「長寿」や「繁栄」の象徴である桑は、人生の節目の贈り物にもぴったりです。

・経年変化で“育てる文房具”を楽しみたい方
他の木よりも早く、はっきりと変わる色合いを体験できます。


まとめ

桑の木軸シャーペンは、
他の木にはない色の経年変化、和の雰囲気、そして縁起の良さが魅力の一本です。
特に、使うほどに黄金色から飴色、さらに深い焦茶色へと変わっていく様子は、
まるでペンを育てているような楽しさがあります。

・工芸品にも使われるほど美しい木材
・一本ごとに違う木目や色合い
・贈り物にもぴったりな特別感

「気になるな」と思った方は、ぜひチェックしてみてください。
この出会いが、あなたの“特別な一本”になるかもしれません。

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