2026/07/30 16:21
明日、7月31日(金)19時より、欅(上杢)の「Penman JP」を再販します。
今回使用したのは、わたなべ木工芸が漆器の木地を作っていた時代から、
工房で長年保管してきた欅です。
工房で長年保管してきた欅です。
たくさんある材料の中から、木目が美しく現れそうなものを厳選し、木軸ペンを作りました。
長い年月を経て、工房に残されてきた欅。
今回は、この材料が保管されてきた背景や、完成した欅(上杢)のPenman JPについてご紹介します。
漆器の木地を作っていた時代から残る欅

わたなべ木工芸は、1950年の創業から今年で76年を迎える、
伝統工芸「庄川挽物木地」の工房です。
富山県庄川地域で受け継がれてきた木工ろくろの技術を用い、
三代にわたって木のものづくりを続けてきました。
木軸ペンを作り始めるよりもずっと以前、工房の中心となっていた仕事は、
漆器の土台となる「木地」の製作でした。
欅などの木材を木工ろくろで削り、お盆やお皿、椀など、漆を塗る前の形を作っていました。
欅は、力強く美しい木目を持ち、硬さや丈夫さにも優れていることから、
漆器の木地としても多く使われてきた材料です。
わたなべ木工芸にとっても、長年にわたり扱い続けてきた1番馴染み深い木です。
今回使用した欅は、そんな漆器の木地を作っていた時代から、
工房で長年保管してきた材料です。
当時仕入れた材料の中から使われずに残り、長い年月を工房で過ごしてきました。
以前は漆器の木地を作るために使っていた欅を、
日常の中で長く使える木軸ペンにする。
作るものの形は変わりましたが、木を回転させて削り、
その木が持つ美しさを引き出す技術は、創業から76年が経った現在も変わらず受け継がれています。
たくさんの欅から、美しい木目を選び出す

工房には、漆器の木地を作っていた時代から保管してきた欅が数多く残っています。
しかし、そのすべてが木軸ペンにしたときに美しい木目を見せてくれるわけではありません。
木は、同じ欅であっても、育った環境や切り出した場所によって木目が大きく異なります。
材料の状態で見えているのは、その木が持つ表情の一部だけです。
実際に削り進めることで、初めて現れる木目や杢もあります。
わたなべ木工芸の木軸ペンは、長年保管してきた欅の中から、木目の流れや材料の表情を見ながら、
美しい木目が現れそうなものを厳選しています。
どの向きから木取りをすれば、欅らしい力強い木目や杢を生かせるのか。
完成した姿を思い浮かべながら材料を選び、木軸ペンに適した大きさへと切り出していきます。
材料を見極める際に頼りになるのは、長年にわたって欅を扱ってきた経験です。
それでも、木の内側にどのような表情が隠れているのかは、
実際に削ってみるまで完全には分かりません。
木工ろくろで少しずつ形を整えていくと、長い間材料の中に隠れていた木目が姿を現します。
今回のPenman JPには、そうして選び出した欅ならではの、美しく変化に富んだ表情が現れています。
削ることで現れた、欅の力強い木目と上杢

厳選した材料を木工ろくろで削っていくと、欅らしい力強い木目とともに、
美しい杢が少しずつ姿を現します。
今回のPenman JPに使用した欅には、整った木目だけでなく、
波打つような模様や、光の当たる角度によって輝き方が変わる杢も見られます。
波打つような模様や、光の当たる角度によって輝き方が変わる杢も見られます。
こうした年輪以外の模様が美しく現れたものを、「欅(上杢)」として販売しています。
欅は、一見すると素朴な木材に見えることもあります。
しかし、削って表面を丁寧に磨き上げることで、
木目の力強さや立体感がよりはっきりと感じられるようになります。
同じ材料から作ったものであっても、木を切り出した場所や木目の流れによって、
完成した木軸の表情はそれぞれ異なります。
まっすぐに流れる木目を持つものもあれば、大きくうねるような木目や、
細かな杢が現れているものもあります。
長年工房に保管されてきた材料の中から選び出し、実際に削ることで現れた欅の表情。
その一つひとつの違いも、天然木から作る木軸ペンならではの魅力です。

昔から続いてきたものを、現代の形で残す

漆器の木地を作っていた時代から、工房に残されてきた欅。
かつて漆器の木地に使われていた欅を、現代の暮らしに身近な木軸ペンへ。
作るものや製作方法は時代とともに変わっても、木を見極め、その木が持つ美しさを生かしてものを作るという姿勢は、今も変わりません。
昔とまったく同じものを作り続けることだけが、伝統を残すことではないと思います。
受け継いできた材料や技術、ものづくりへの考え方を大切にしながら、今の時代に使ってもらえる形へ変えていくことも、伝統工芸を未来へ残すひとつの方法だと考えています。
そして、このPenman JPをきっかけに、わたなべ木工芸だけでなく、
日本各地で受け継がれている伝統工芸にも目を向けていただけたら、作り手としてとても嬉しく思います。
昔から続いてきたものを、現代の暮らしに合った形で残していく。
木軸ペンPenmanシリーズには、そんな思いも込めています。
まとめ

今回使用したのは、わたなべ木工芸が漆器の木地を作っていた時代から、工房で長年保管してきた欅です。
たくさんの材料の中から、美しい木目が現れそうなものを厳選し、欅(上杢)のPenman JPを作りました。
力強く流れる欅らしい木目や、光の当たり方によって表情を変える美しい杢。
同じ欅から作ったものでも、その表情は一本ずつ異なります。
かつて漆器に使われていた材料を、現代の暮らしで使いやすい木軸ペンとして残していく。
そして、この一本をきっかけに、欅の美しさや、
長く受け継がれてきた日本の伝統工芸に興味を持っていただけたら嬉しく思います。
欅(上杢)のPenman JPは、明日7月31日(金)19時より再販します。
木目をお選びいただくことはできませんが、こちらで一本ずつ確認し、
木目の良いものから順番に発送いたします。
わたなべ木工芸では、国産の木を中心に一本ずつ丁寧に仕上げた木軸ペンをご用意しています。
気になる方は、ぜひこちらからご覧ください。
