2023/02/28 14:47


拭き漆仕上げのペンは「時間とともに変わる」

拭き漆仕上げの木軸ペンは、使うほどに少しずつ表情を変えていきます。
この時間の流れによる変化を「経年変化」と呼びます。

仕上げたばかりのころは、漆がしっとりと木地を包み込むように深い色合いをしています。
それが年月を経るうちに、漆がゆっくりと透け、木の地肌の色がやわらかく浮かび上がっていくんですね。



お盆の写真で見る「漆の透明感」

写真はお盆ですが、拭き漆仕上げの木軸ペンも同じように変化します。
上が5年ほど使い込んだもの、下が仕上がったばかりのもの。
並べてみると、漆の透明感や木の明るさがまるで違います。

このように、漆は時間の経過とともにゆっくりと透け、木の表情をより豊かに見せてくれます。
木と漆、どちらも“生きている”ことを感じさせてくれる変化です。


「使ってこそ美しくなる」漆の魅力

漆塗りは「使ってこそ美しくなる」といわれます。
手の油分や温度、光の当たり方、使う場所の湿度…。
そうした日々の暮らしの中の小さな要素が重なり合い、一本のペンをゆっくりと育てていきます。

何もしなくても変化していくけれど、
その変化の仕方は人それぞれ。
それが、拭き漆の木軸ペンの面白さであり、魅力だと思っています。



あなたの手の中で育つ一本

新品のころの深い色合いも、
年月を経た後のやわらかな艶も、
どちらも木と漆が見せてくれる自然の表情です。

あなたの手の中で、一本のペンが少しずつ育っていく時間を、
どうぞゆっくりと愉しんでみてください。





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