2025/09/13 12:56


「手汗が多いから、木軸ペンを使うのは向いていないのでは…」

そんなふうに感じていませんか?

実は、木は人の手ととても相性のいい素材です。
たしかに汗や皮脂を吸いやすい性質はありますが、だからといって使えないわけではありません。
むしろ、正しいお手入れをすることで、手汗があっても長く快適に使い続けることができます。

こんにちは!
わたなべ木工芸 渡辺です。

創業75年の伝統工芸の工房で木のペンを作っています。

この記事では、「手汗が多い人でも安心して木軸ペンを楽しむための対策」を、
職人の視点からわかりやすく解説します。
汗によるベタつきや変色を防ぐ方法から、毎日できる簡単なケアまでまとめていますので、
ぜひ参考にしてください。

手汗が多くても大丈夫?木軸ペンと手汗の関係

木軸ペンは、金属や樹脂のペンと違って 「自然の木そのもの 」を使っているため、
どうしても汗や皮脂を吸いやすい特徴があります。

そのため、手汗が多い方はこんな悩みを感じやすいんです。

・ペンがベタついて滑りやすい
・変色やシミができるのではと心配
・長く使うと木が傷んでしまいそう

でも、安心してください。実際には手汗があっても木軸ペンは十分に使えます。
むしろ木は呼吸する素材なので、時間とともに 色艶が深まり「味わい」へと変化 していくのです。
大切なのは、汗をそのままにせず、ほんの少しケアしてあげることになります。

手汗が多い人でも安心できる3つの対策

「手汗が多いから心配…」という方でも、ちょっとした工夫で木軸ペンを快適に使えます。

ここでは、職人としておすすめできるシンプルな対策を3つご紹介します。

1. 使ったあとは柔らかい布で軽く拭く
ペンを使い終わったら、ハンカチや柔らかい布でサッと拭くだけで十分です。

汗や皮脂をそのまま残さないことで、ベタつきや変色を防げます。

2. 蜜蝋ワックスで表面を保護する
月に一度くらい、少量の蜜蝋ワックスを薄く塗ると、木の表面にコーティング膜ができて汗の影響を抑えられます。
自然素材なので安心して使えるのもポイントです。

3. 複数のペンを使い分ける
手汗が気になる人は、同じ一本を使い続けずにローテーションするのもおすすめです。
休ませる時間をつくることで、木が自然に乾いてコンディションを保ちやすくなります。

やってはいけないNGケア

木軸ペンは自然素材だからこそ、扱い方を間違えると逆に木を傷めてしまうことがあります。

特に、次の3つはやらないように注意してください。

1. 水洗いをする
「汗を流せば清潔になる」と思って水で洗うのは絶対にNGです。
木は水を吸うと膨張したり、割れや変形の原因になります。

2. アルコールや除菌スプレーを使う
アルコールは仕上げの塗膜や木の油分を溶かしてしまうため、表面がカサついたり色が変わる恐れがあります。

3. 強くこすりすぎる
布で拭くときにゴシゴシ力を入れるのも避けましょう。
摩擦で表面を傷つけてしまい、かえって汗や汚れが入り込みやすくなります。

「清潔にしたい」という気持ちからやってしまいがちですが、木は繊細な素材。

“やさしく扱う”ことが一番のケア だと覚えておいてください。

おすすめのお手入れ方法

木軸ペンは、手汗が多い方でも“ほんのひと手間”で美しさを保てます。
ここでは、職人としておすすめするお手入れ方法を紹介します。

<毎日できる簡単ケア>

・使ったあとは布で拭く

 乾いた柔らかい布(ハンカチやティッシュなど)でサッと拭くだけで十分です。

<定期的にしたい特別ケア>
・蜜蝋ワックスで保護する
 
月に1回程度、布に少量を取り、木の表面に薄く塗り広げます。
表面に膜ができて汗の浸透を防ぎ、自然な艶も増していきます。

・乾燥した布で軽く磨く

ワックス後や普段のお手入れで軽く磨くだけで、表面が整い、しっとりした手触りを保てます。


木は使う人の環境や手に合わせて少しずつ表情を変えていきます。
手汗もその一部と考えれば、世界に一つだけの“自分の木軸ペン”に育てていけるのです。

まとめ

手汗が多い方でも、木軸ペンは十分に安心して使えます。

大切なのは「汗をそのままにしないこと」と「やさしくケアすること」。

・使ったあとは布で拭く
・定期的に蜜蝋ワックスで保護する
・水洗いやアルコールは避ける

この3つを心がけるだけで、木軸ペンは長く美しく使い続けられます。
木は呼吸する素材です。手に触れることで少しずつ色艶を増し、あなただけの一本へと育っていきます。

手汗を気にして避けるよりも、「自分の色に育てていく楽しみ」として受け入れることで、
木軸ペンとの時間はもっと豊かなものになりますよ。
では、また!!

わたなべ木工芸では、国産の木を中心に一本ずつ丁寧に仕上げた木軸ペンをご用意しています。

気になる方は、ぜひこちらからご覧ください。