2025/09/22 17:22


日本の木材の中でも、昔から人々に親しまれてきたのが「欅(けやき)」の木です。
その美しい木目や鮮やかな色合いは、神社やお寺、家具、そして日常の器まで、
ほんとうに幅広い場面で使われてきました。

木軸ペンに欅を使うと、見た目の美しさはもちろん、
手にしたときの安心感や、長く使うほどに増していく味わいも楽しめます。

この記事では「欅ってどんな木なんだろう?」と思った方に向けて、
3分で魅力がわかるようにまとめました。ぜひ最後まで読んでみてください。


【産地】

欅(けやき)は、主に日本各地に自生している広葉樹です。
特に本州から九州にかけて多く見られ、街路樹や公園樹としても親しまれています。
日本では古くから「国産材の代表格」として扱われています。
とくに北陸や関東地方では、神社のご神木としてそびえる欅を目にすることができ、
その土地の象徴にもなっています。

【歴史・文化】

欅は昔から「日本を代表する銘木」として親しまれてきた木なんです。
とくに神社やお寺の建築にたくさん使われていて、太い幹や美しい木目を活かして、柱などに使われてきました。

欅の大木は、風雪に耐えて何百年も生きるので、「長寿」や「繁栄」の象徴として語り継がれてきたんです。

それから、家具や器といった日用品にもよく使われてきました。
昭和〜平成の初期くらいまでは、漆器の木地としても人気で、当工房の75年の歴史でも1番多く使ってきた木材です。

まさに、日本の生活文化にしっかり根づいた木材と言えるんですね。


【特徴・性質】

欅(けやき)は、広葉樹の中でも特に「強さ」と「美しさ」をあわせ持った木。

まず、とても丈夫で、湿気や虫にも比較的強いのが特徴です。
だからこそ、昔から建物や家具といった長く使うものに選ばれてきました。

仕上げをすると欅ならではの光沢が出てきて、磨き込むほどに艶が増していきます。
こうした強さと美しさを兼ね備えているからこそ、欅は「日本を代表する木材」と呼ばれているんですね。

【木目】

欅の一番の魅力といってもいいのが、この力強くてはっきりとした木目です。
年輪がくっきり浮かび上がっていて、見ただけでどっしりとした存在感を感じられるんです。

成長の途中で不規則な力が加わると、「玉杢(たまもく)」や「サバ杢」と呼ばれる、とても美しい模様が出ることがあります。
これは自然が生み出す偶然の芸術で、木軸ペンに仕上げると一本一本に違った表情を楽しめます。


【杢(もく)】

欅の魅力を語るうえで欠かせないのが、この「杢(もく)」と呼ばれる特別な木目なんです。

成長の途中でねじれや不規則な力が加わると、「玉杢(たまもく)」や「サバ杢」といった模様が現れることがあります。
そのほかの、年輪模様が複雑に入り組んでいたりするものや、年輪の間に細かいシワのような美しい模様が出ていたりするものを
当工房では「上杢(じょうもく)」と表記させていただいています。

偶然が生んだ唯一無二の美しさを楽しめるのも、欅ならではの魅力なんです。


【色】

欅の色合いは、オレンジ色から赤みを帯びた茶色まで幅広くて、
どれも温かみを感じさせてくれるのが特徴です。

最初は明るめの色でも、時間が経つにつれてどんどん深みが出てきて、自然な艶が増していきます。
さらに磨き込むと光沢が際立ってきて、高級感のある落ち着いた雰囲気を楽しめるんです。

木軸ペンとして持つと、年月とともに自分だけの一本に育っていく実感を味わえるんですね。

【匂い】

欅は伐採した直後や削った直後に、ちょっと独特な香りがするんです。
ツンとした匂いで、「あ、これ欅だな」ってすぐにわかるぐらい特徴的なんですよ。

でも、この香りは時間が経つと落ち着いてきます。
完成してしばらく経てば木軸ペンから強く匂いが残ることはほとんどありません。
むしろ自然素材ならではの、ほんのり安心感を与えてくれるくらいです。

職人にとっては懐かしさを感じる匂いでもあって、
欅がただの木じゃなく「存在感のある木」だと実感させてくれる要素のひとつなんです。

【硬さ】

欅は、日本の木の中でもけっこう硬い方なんです。
でも、ただ硬いだけじゃなくて粘り強さもあるから、叩いても割れにくく、とても丈夫なんですね。
だから昔から建物や家具に安心して使われてきました。

木軸ペンにすると、この適度な硬さがいい味を出してくれます。
傷がつきにくく安心してお使いいただけます。

【用途】

欅はその丈夫さと美しさから、いろんな場面で使われてきた木です。

建築では、神社やお寺の柱や梁に使われていて、何百年も人々の暮らしを支えてきました。
家具の世界でも、欅のテーブルや箪笥(たんす)はどっしりして存在感があります。

それだけじゃなくて、太鼓など楽器にも欅は使われてきました。響きがよくて、音色が安定するらしいです。

そして現代では、工芸品や彫刻はもちろん、木軸ペンにも活躍の場が広がっています。
欅をペンに仕上げると、日常の中でその木目や艶を楽しめて、
伝統的な木をとても身近に感じられます。

【希少性】

欅は日本を代表する木なんですが、実は昔みたいに大きくて質のいい木はどんどん少なくなってきているんです。
以前は神社やお寺、家具なんかにたくさん使われていましたが、
今では伐採の規制や環境のこともあって、手に入れるのが難しくなりつつあります。

特に「玉杢」や「サバ杢」といった珍しい木目が出る部分はほんの一部だけ。
木軸ペンにすると、同じものは二つとない「世界に一本だけの表情」を楽しめるんです。

だから欅は、ただの木材じゃなくて文化的な価値も持つようになってきています。
一本の木から生まれる作品には、自然の恵みと長い歴史がぎゅっと込められているんですね。

【経年変化】

最初は明るい黄褐色や少し赤みのある茶色なんですが、
使い込むほどに色が深まっていって、だんだん落ち着いた風格をまとっていきます。

さらに、手で触れて磨かれることで自然な艶が出てきて、しっとりとした光沢を楽しめるようになります。

木軸ペンなら、持つ人の手の油分や生活環境によって一本一本が違う表情に育っていくんです。

欅のペンを使っていると、日常の中で木が少しずつ成長していく姿を味わえます。

【まとめ】

欅(けやき)は、日本を代表する銘木のひとつです。
力強い木目や、玉杢・サバ杢といった特別な模様。
黄褐色から赤みを帯びた色合いの変化や、年月とともに増していく艶。
そして丈夫さとしなやかさを兼ね備えた性質。

昔から神社仏閣や家具、楽器などに使われてきたのも納得の木材なんです。
木軸ペンにすると、その美しさと安心感を手元でじっくり味わえるのが魅力ですね。

欅は、使えば使うほどに色艶が深まり、自分だけの一本に育っていきます。
そんな欅の木軸ペンを手にして、日常の中で日本の伝統と自然の豊かさを感じてみてください。


わたなべ木工芸では、国産の木を中心に一本ずつ丁寧に仕上げた木軸ペンをご用意しています。

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