2025/10/03 14:12

「ケンポナシ」って聞いたことありますか?
名前はちょっとユニークなんですけど、実は昔から人の暮らしに関わってきた木なんです。
果実は薬として使われたり、木材は丈夫で味わい深かったり。
普段の生活ではあまり目にすることがないので、知らない方も多いと思います。
でも木の世界を知っていくと、「へぇ、こんな木もあるんだ!」と面白く感じてもらえるはずです。
今日はそんなケンポナシについて、3分でサッとわかるように特徴をまとめてご紹介しますね。
【産地】
ケンポナシは、日本や中国を中心とした東アジアに自生している木です。
日本では本州から九州までの山地や川沿いに見られるんですが、街中ではなかなか出会えないので知名度は低め。
自然の中では高さが20メートルを超えることもあって、堂々とした立ち姿をしています。
山道を歩いていても「これがケンポナシだ!」とすぐにわかる人は少ないかもしれませんが、
意外と身近に生えている木なんです。
【歴史・文化】
ケンポナシは、昔から「薬の木」として知られてきました。
特に果実は二日酔いに効くといわれていて、民間薬として重宝されていたんです。
木材としてはあまりメジャーではないんですが、
日本の工芸では、ケヤキのような綺麗な木目が出る事から
色々と重宝されてきました。
日本の工芸では、ケヤキのような綺麗な木目が出る事から
色々と重宝されてきました。
【特徴・性質】
ケンポナシの木材は、木材全体の中では、そこそこ重くて硬いタイプなんです。
木工をやる人から見ると、「扱いやすさと強さのバランスがいい木」っていう印象です。
硬すぎず、柔らかすぎずって感じで、削りやすく感じました。
日常ではあまり見かけないけれど、知る人ぞ知る実用的な木材なんです。
【木目】
大きな道管が年輪の周りに連なってがはっきりと見えています。
ケヤキ、クリと似ていて、とても美しい木目です。
ケヤキ、クリと似ていて、とても美しい木目です。
【色】
芯材(木の中心部分)は、濃いオレンジ色。
外側の辺材はもっと明るい黄白色。
色の境目はわかりやすいです。
現在、当工房で販売しているケンポナシの木軸ペンは
とても珍しい「赤い」ケンポナシです。
オレンジ色なのが、普通ですが、鮮やかな赤みが出ています。
とても珍しい「赤い」ケンポナシです。
オレンジ色なのが、普通ですが、鮮やかな赤みが出ています。
【匂い】
匂いは弱いですが、「薬っぽい匂い」が若干します。
果実が薬として使われている事もあり、
お薬成分の匂いがあるのかもしれませんね。
お薬成分の匂いがあるのかもしれませんね。
【硬さ】
ケンポナシは、中〜やや硬めの木に分類(気乾比重は約0.65)されます。
欅と同じくらいです。
日常使いする木軸ペンにふさわしい耐久性を持っています。
【用途】
高級和家具、建具、楽器材や彫刻材、工芸品に幅広く用いられます。
特に杢(もく)が出た材は、装飾的な用途で重宝されます。
【希少性】
国内に広く分布はしていますが、大径木は多くなく、
特に美しい杢(もく)が出た材は流通量が少なく、希少性が高いとされています。
現在販売中の”赤い”ケンポナシは、
材木屋さんに「ここまで赤い物は一生に一度出会えるかどうか」と言われました。
【経年変化】
ケンポナシは、時間が経つにつれて色が少しずつ落ち着いていきます。
使い込むうちに深みが増して、しっとりとした雰囲気に変わっていくんです。
また、表面に自然な艶が出てくるので、長く使うほど味わいが増していきます。
新品のときよりも「育てる楽しみ」を感じられる木なんですね。
【まとめ】
ケンポナシは、果実が薬として親しまれてきた歴史を持ちながら、
木材としても丈夫、しかも使い込むほど深みが出るという魅力を持った木です。
普段の生活ではあまり出会うことがないかもしれませんが、家具や工芸品、クラフトの世界では「知る人ぞ知る存在」。
落ち着いた色合いとしっかりとした木質は、長く愛用する一本にふさわしい銘木です。
現在、販売中のケンポナシの木軸ペンの”色”と”杢”が美しくとても希少な物となっています。
ぜひ、チェックしてみてください。
ぜひ、チェックしてみてください。
わたなべ木工芸では、国産の木を中心に一本ずつ丁寧に仕上げた木軸ペンをご用意しています。
気になる方は、ぜひこちらからご覧ください。