2025/10/14 16:49

「神代けやき」って聞いたことはありますか?
普通の欅(けやき)とは違って、ちょっと神秘的な名前がついている木なんです。
実は数百年〜数千年前に地中に埋もれていた欅が、長い時間を経て掘り出されたものを「神代けやき」と呼びます。
自然がつくり出した時間の芸術であり、木材の中でも特に希少な存在です。
今日はそんな神代けやきについて、3分でサッとわかるようにまとめてご紹介しますね。
【産地】
神代けやきは、特定の地域で育った木ではありません。
本来は日本各地に自生していた欅が、地震や噴火、土砂崩れなどで地中に埋もれ、長い年月を経て掘り出されたものです。
つまり「産地」ではなく「時間と環境」によって生まれた木。
掘り出されるのはごく限られた地域とタイミングに限られるので、非常に貴重です。
【歴史・文化】
「神代(じんだい)」という名前は、「神様の時代=とても昔」という意味があります。
実際に、千年以上も前に土に埋もれたと言われています。
とても長い時間を感じさせる名前ですよね。
その不思議さから、昔は茶道具や仏具、工芸品など、特別なものに使われてきました。
【特徴・性質】
欅と同じく強靭で、耐久性があります。
ただし、普通の欅に比べると地中での化学変化によって色合いが大きく変わっており、
独特の深い風合いが特徴です。
木工をする人にとっても、削るときにしっかりとした硬さがありつつ、
どこか柔らかい落ち着いた感覚を与えてくれます。
【木目】
もともと欅の木なので、力強くはっきりとした木目が特徴です。
神代けやきになると、その木目がどこか奥行きのある、不思議な雰囲気をまとって見えることがあります。
光の当たり方によって表情が変わり物もあり、落ち着いた中にも迫力を感じられる木目です。
【色】
最大の特徴は「色」。
地中に長く埋もれていたことで、深緑や灰褐色、灰色がかった茶色などに変化しています。
普通の欅が黄金色に輝くのに対し、神代けやきは渋く落ち着いた大人の色合い。
木軸ペンに仕立てると、唯一無二の存在感を放ちます。
【匂い】
乾燥済みの神代けやきには、ほとんど匂いは残っていませんが、
ほんのりと土っぽい匂いがあるものもあります。
ほんのりと土っぽい匂いがあるものもあります。
【硬さ】
欅本来の性質を持っているので、硬さは中〜やや硬め。
耐久性も高く、毎日使うペンにぴったりです。
【用途】
高級家具、工芸品、仏具、茶道具、建築材などに用いられてきました。
特に「神代」と名がつくことで特別感があり、贈答用や記念品に選ばれることも多いです。
【希少性】
神代けやきは、普通に伐採して得られる木材ではありません。
自然環境によって偶然埋もれ、さらに掘り出されるタイミングでしか出会えない木。
そのため流通量は非常に限られており、杢(もく)が入った材はさらに貴重です。
一期一会の出会いを楽しむ木材といえます。
【経年変化】
すでに「時間」をたっぷり吸い込んできた木なので、色の変化は穏やかです。
使い込むうちに艶が増し、手に馴染むことでより深みが増していきます。
新品の時よりも、むしろ年月と共に完成していくような味わいがあります。
【まとめ】
神代けやきは、普通の欅とは一線を画す「時間が育てた木」。
落ち着いた色合いと力強い木目は、静かな迫力を感じさせます。
希少性が高く、まさに特別な一本にふさわしい銘木です。
当工房で制作している神代けやきの木軸ペンも、
深みのある色と木目が美しく、唯一無二の存在感を放っています。
「長い時間を閉じ込めた一本」を、ぜひ手に取ってみてください。
わたなべ木工芸では、国産の木を中心に一本ずつ丁寧に仕上げた木軸ペンをご用意しています。
気になる方は、ぜひこちらからご覧ください。