2025/11/26 14:49

「木のボールペンに興味はあるけれど、どれを選んだらいいんだろう…」
そんな相談をいただくことが、工房でもよくあります。
とくに初めての方からは、
「5000円くらいで、おすすめの木軸ボールペンはありますか?」
という声がとても多いんですね。
わたなべ木工芸では、この“5000円台でお届けする”という価格帯を、
とても大切にしています。
わたなべ木工芸は元々、漆器の木地師の工房。
木地師の世界では、美しい模様のでている材料ほど“もったいなくて使えない”事があります。
本来、これらの端材は“漆塗りの器”に使う予定だったものです。
しかし、漆を重ねて仕上げてしまうと、
せっかくの美しい木目や杢(もく)が見えなくなってしまう。
木地師として長く仕事をしていると、
「これは漆で隠してしまうには、あまりにももったいない…」
そう感じる木が、どうしても出てきます。
使えず、捨てられず、
だからといって大きな作品にも向かない。
そんなふうにして、工房に眠り続けてきた“宝物”のような素材たちです。
その端材の中から、
本当に良い部分だけを職人の目で選び出し、ペンに仕上げる。
だからこそ、5000円台という価格でお届けできています。
正直、材料を新しく仕入れて同じ杢で作ろうとすると、
この価格ではとても収まりません。
それくらい、本来は貴重な木目です。
それでも今は、あえて“特別に取っておいた木”を使って作っています。
はじめて木軸ペンに触れる方にも、
「木って、こんなに美しいんだ」
ということを知ってほしいからです。
この記事では、
・5000円で選ぶメリット
・初心者が押さえておきたいポイント
・職人として本気でおすすめしたい樹種
を、お伝えしていきます。
とくに一番のおすすめは「欅(けやき)」。
はじめての一本として、まず間違いありません。
あなたの毎日に寄り添う、温かな相棒が見つかりますように。
では、いってみましょう。
なぜ“5000円の木軸ボールペン”は初心者にちょうどいいのか
木軸ボールペンを初めて手にする方にとって、
5000円という価格帯は「背伸びしすぎず、本物を楽しめる」絶妙なラインです。
高価な銘木ペンのような“プレミア感”はありませんが、
だからこそ肩の力を抜いて毎日使える。
それでいて、木目の美しさや手触り、軽さといった
木軸ならではの魅力がしっかり味わえるのが、この価格帯です。
ここでは、初心者にとって5000円台がなぜおすすめなのかを、
職人の視点からわかりやすくお伝えします。
<① 樹種の個性がしっかり楽しめる価格帯>
安価な木軸ペンの場合、
木材の選別に時間をかけることが難しく、木の個性が弱く出ることがあります。
5000円台になると、
木目の表情・杢の美しさ・色合い
これらがはっきり感じられるレベルの材料が選べるため、
「木のペンってこんなに表情豊かなんだ」と実感しやすくなります。
杢の美しさや木目の揺らぎなど、
“木を持つ楽しさ”を味わいやすいのがこの価格帯です。
<② 職人の仕上げが一段階上がる>
木軸ボールペンの良さは、
どれだけ丁寧に「手で仕上げているか」で大きく変わります。
5000円台のペンは、
ただ削って形にするだけではなく、
木肌をなでるように何度も手で磨き上げる工程がしっかり取れる価格帯です。
そのため、
・指先が触れたときに“すっと吸いつくような感触”
・持った瞬間にわかる“木肌のなめらかさ”
・手のひらに馴染む“自然な温かさ”
こうした、手仕事ならではの仕上がりの美しさを強く感じられるようになります。
「初めて木軸ペンを使うけど、違和感がなくて、気持ちいい」
と多くの方が感じてくださるのは、
まさにこの“手で仕上げる工程”があるからです。
5000円台は、
木の良さと手仕事の美しさがもっともバランスよく伝わるライン。
初心者にとって、スッと手になじむ品質がここにあります。
<③ 長く使える構造のため、買って後悔しない>
5000円台の木軸ボールペンの多くは、
替え芯を交換して長く使える構造になっています。
わたなべ木工芸の木軸ボールペンも同様で、
4C規格の替え芯と互換性があり、
インクが無くなっても“芯を変えて使い続ける”という楽しさがあります。
「せっかく買ったのに、すぐ使えなくなる…」
という心配がないため、
“はじめての一本”にちょうどいい安心感があります。
初心者が押さえておきたい“木軸ボールペンの基本”
木軸ボールペンは、金属や樹脂のペンとはまったく違う
“使うほどに手になじんでいく道具”です。
はじめて手にする方に向けて、
まず知っておくと安心なポイントをまとめました。
<① 木軸は「軽さ」と「温かさ」で書きやすい>
多くの方が最初に驚くのは、
「こんなに軽いのに、しっかり書けるんだ」
という感覚です。
木は金属に比べて軽く、
すっと指先に馴染むため、長時間の筆記でも手が疲れにくい。
さらに、触れた瞬間にわかる“やさしい温度”。
冬場でもひんやりせず、手の熱にすぐ馴染むのは
木という素材ならではの魅力です。
<② 木の種類で、手触りや雰囲気が変わる>
「重さよりも、木の個性で選ぶ」
これが木軸ペンの楽しさです。
・ 杢(もく)が華やかなもの
・ 色味が落ち着いたもの
・経年で深く変化していくもの
樹種によってまったく違う表情を見せるため、
自分に合った“雰囲気をまとった一本”を選べます。
5000円台のペンは、
ちょうど木目の表情がわかりやすい価格帯なので、
初心者でも木材の違いを楽しみやすいラインです。
<③ 仕上げによって、書き心地が変わる>
木軸ペンは、表面の仕上げによって
手触りや雰囲気が少しずつ変わります。
・オイル・蜜蝋仕上げ
木の質感がもっともダイレクトに伝わる。
手汗をかきにくく、ナチュラルな触り心地。
・ 漆塗り(うるし)仕上げ
艶があり、耐久性が高く、手触りはしっとり。
木目が落ち着いた表情で透ける。
5000円台では、
木の温もりがしっかり伝わるな仕上げ「オイル・蜜蝋仕上げ」で仕上げています。
使うほどに馴染む楽しさを味わえるのも、この価格帯ならではの魅力です。
【職人が厳選】5000円で選ぶ“おすすめの樹種4選”
5000円台の木軸ボールペンは、
“気軽に毎日使える価格帯”でありながら、木目の個性や杢の美しさもしっかり楽しめるラインです。
ここでは、職人として実際に扱ってきた中から
「はじめての1本に自信をもっておすすめできる4つの樹種」
を紹介します。
1. 欅(けやき)|はじめてなら、まず間違いない一本
欅は、日本の木の中でも特に“クセがなく、良さが伝わりやすい”木です。
・木目がはっきりしていて表情が美しい
・密度がちょうど良く、軽すぎず重すぎない
・丈夫でゆがみにくく、毎日の使用に向いている
・経年変化が楽しめ、飽きのこない色合いになる
とくに初心者の方には、
「木ってこんなに綺麗なんだ」
という感動が分かりやすい樹種です。
わたなべ木工芸でももっとも多く扱ってきた木で、
長く職人をしている僕自身、いまだに惚れ惚れする瞬間があります。
迷ったらまず欅をおすすめしたい理由がここにあります。
2. 神代欅(じんだいけやき)|落ち着いた大人の雰囲気を楽しむなら
神代欅は、欅が数百年〜数千年、
土の中で自然に色づいた希少な木材です。
・黒〜こげ茶の落ち着いた色合い
・どこか古民家のような“時間の深み”を感じる雰囲気
・欅とは思えないシックな表情
という特徴があります。
5000円台で買える神代欅は実は貴重で、
落ち着いた色味のペンを探している方にぴったりです。
欅の扱いやすさと、神代ならではの渋さ。
その両方を楽しめる、味わい深い一本です。
3. 桑(くわ)|使い込むほどに深まる色
桑は日本の伝統工芸でも古くから使われてきた木で、
とても“手触りの良い木”として知られています。
・黄〜茶色の明るい色味
・木肌がしっとりと手に馴染む
・経年で深く飴色に変化する(育つ楽しみが大きい)
という魅力があります。
桑は樹種の中でも変化が豊かで、
買った時と数ヶ月後でまったく違う表情になることも。
“育てる楽しさ”を感じたい方におすすめです。
4. 山桜(やまざくら)|やわらかく、落ち着いた雰囲気の一本
山桜は、手触りの良さと上品な雰囲気のバランスが絶妙です。
・ほんのり赤みがかった優しい色
・樹脂分が多く、すべすべした気持ち良い触り心地
・経年で深い茶色〜赤茶に育つ
華やかすぎず、地味すぎず。
男女問わず選びやすい“穏やかな表情”が魅力です。
木に興味はあるけれど、
派手な杢より落ち着いた雰囲気が好みの方に向いています。
5000円の木軸ボールペンは、毎日に“温かさ”をくれる
5000円台の木軸ボールペンは、
高級すぎず、気軽すぎず。
ちょうどいい距離感で、あなたの毎日に寄り添ってくれる道具です。
木のペンは、ただ字を書くためだけのものではありません。
手に触れたときの温かさや、木目の揺らぎ、
少しずつ深まっていく色合い──
そのどれもが“使う時間そのもの”を豊かにしてくれます。
そして今回ご紹介した欅や神代欅、桑、山桜は、
はじめての一本としても、長く使う相棒としても、
きっとあなたの手になじんでくれると思います。
職人として、そして木地師の家業を継いできた者として、
私はいつも「木が持つ力は、人の心をやわらかくする」と感じています。
5000円台という、手に取りやすい価格だからこそ、
まずは一度“木と一緒に過ごす時間”を味わってみてください。
<この記事を読んでくれた方限定!300円OFFクーポン>
この記事を読んでくれた方限定で、ささやかな300円OFFクーポンをご用意しました。
ご購入の際に、以下のクーポンコードをご入力ください:
クーポンコード:300woodpen
(※有効期限はありません。いつでもご利用いただけます)
送料を含めても、実質5,700〜5,900円ほどで木軸ペンをお迎えいただけます。
この機会にぜひ、“木のぬくもりのある文房具”を体験してみてくださいね。
では、またー!
わたなべ木工芸では、国産の木を中心に一本ずつ丁寧に仕上げた木軸ペンをご用意しています。
気になる方は、ぜひこちらからご覧ください。
