2025/11/27 18:04

木軸ペンをつくっていると、 「これはなかなか作れないな」 と感じる素材に出会うことがあります。
今回の 神代けやきのサバ杢 は、まさにその一つ。
そもそも神代けやき自体がとても希少で、さらにサバ杢がきれいに出ることは滅多にありません。
サバ杢とは?──木が“二股に分かれる瞬間”にだけ生まれる特別な模様

サバ杢(さばもく)は、木が二股に分かれる部分で、
繊維が複雑に“捌ける(さばける)ように広がることで現れる杢です。
名前の由来も、この「捌く(さばく)」という言葉からきています。
木の中で繊維がねじれ、ぶつかり、流れを変えながら広がっていく。
その自然の動きが重なったときにだけ、サバ杢が姿を見せます。
特徴としては、
・ 同じ杢は二度と出ない
・量産ができない
・ 木工の世界でも“珍しい杢”として扱われる
という性質があります。
そして今回は、
木目がとても細かく、繊維が波打つように動いているサバ杢が現れました。
↓

派手に主張するわけではないのに、近くで見ると「こんな流れ方をするのか」と思える独特の表情があります。
こういう 自然の偶然が描いた模様って、本当に面白いんですよね。
木軸ペンを通してみなさんにも感じてもらえたら嬉しいです。
神代けやきの希少性
神代けやきは、欅(けやき)が土の中で数百年〜千年近く眠ることで生まれる特別な素材です。
土中に埋もれていた期間に、鉄分や土の成分がゆっくりと木に染み込み、
通常の欅にはない 深い黒褐色の色味へと姿を変えます。
そのため、神代木には次のような特徴があります。
・ 色味が渋く、落ち着いた表情を見せる
・木目がしっとりと締まり、上質な雰囲気
・そもそも埋もれている木が少ないため、入手が難しい
・一度採り尽くせば“次がない”素材
つまり神代けやきは、人工的に作り出すことのできない天然の希少材なんですね。
サバ杢 × 神代けやき──そもそも「素材として出会えること自体」が珍しい
今回のペンは、神代けやきにサバ杢が現れた、とてもめずらしい組み合わせです。
神代けやきは、もともと
・土の中で長い時間眠ることでしか生まれない
・同じ色の欅を新しく作ることはできない
という理由から、材料としても希少です。
さらに、その神代けやきの中に
サバ杢のような特別な木目が出ることは、実はかなり珍しいんです。
サバ杢自体が、木が二股に分かれる場所にだけ現れる“偶然の杢”。
つまりこの一本は、
・神代木の希少性
・サバ杢の希少性
・その両方が重なった“特別な素材”
なんですね。
自然がくれた条件がたまたま揃った、とてもありがたい材料でした。

まとめ
今回の 神代けやきのサバ杢 は、
「素材そのものが特別だったからこそ作ることができた一本」 でした。
神代けやきという希少な木に、さらにサバ杢という珍しい木目が重なる。
この条件がそろうこと自体がめずらしく、職人としてもなかなか出会えない素材です。
木目は細かく、繊維が波打つように動いていて、
落ち着いた黒褐色の中にさりげなく表情が浮かび上がります。
木軸ペンは、同じものを量産できるものではありません。
その時に出会った木、その時の杢、その時の表情をそのまま形にする。
そんな“自然からの贈りもの”のようなところがあります。
もし手に取っていただけたら、
この木が辿ってきた長い時間や、
偶然が生んだ木目の面白さも、ぜひ一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。
11月28日19時〜 販売開始です。
よろしくお願いします。
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わたなべ木工芸では、国産の木を中心に一本ずつ丁寧に仕上げた木軸ペンをご用意しています。
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