2025/12/02 14:33

「桜は、日本人にとって少し特別な木だな」と、ものづくりをしていると強く感じます。
どこか懐かしい気持ちになったり、新生活が始まる時の清々しさを感じたり。
どこか懐かしい気持ちになったり、新生活が始まる時の清々しさを感じたり。
桜には、日本人にしかない“記憶”のようなものがあるように思います。
山桜は野生の桜のことで、昔から多くの人に愛されてきた木です。
山桜を削っていると、そのイメージが木肌の色や佇まいとして素直にあらわれます。
淡いピンクを含んだやわらかい表情、控えめなのに品のある雰囲気、
そして、時間とともに深みを増していく落ち着いた色合い。
今回は、そんな山桜から連想されるイメージを、木軸ペンづくりの視点から言語化してみました。
はじめて木軸ペンを選ぶ方にも、やまざくらの魅力が伝わればうれしいです。
山桜(やまざくら)から連想されるイメージ 5選

学生・新生活・制服の記憶
やまざくらの淡い色合いには、どこか“学生の頃の空気”を思い出させる力があります。
真新しい制服、まだ慣れないカバン、緊張と期待が入り混じったあの感じ。
そんな初々しい記憶がふっとよみがえることがあります。
木軸ペンとして手に取ったときにも、その「まっさらな雰囲気」が自然と伝わり、
書く時間を少し優しくしてくれる木です。
和の雰囲気・日本らしい初々しさ
やまざくらには、どこか“和”を感じさせる落ち着いた気配があります。
淡い色合いは強すぎず、木目もすなおで、まるで昔から身近にあった日本の道具のような親しみがあります。
飾りすぎないのに美しい。
静かでやわらかいけれど、どこか凛としている。
やまざくらには、日本人が昔から大切にしてきた、
“自然のままの美しさ” がそっと息づいている木です。
春の訪れ・新しい季節の始まり
やまざくらを見ると、季節がふっと動き出すような、あの独特の気配を感じることがあります。
暖かい風や、少し明るくなる景色。
ペンに仕立ててもその印象は変わらず、
手にした人の気持ちを前向きにしてくれるような、軽やかな明るさがあります。
「何か新しいことを始めたい」
そんなタイミングにもそっと寄り添ってくれる木です。
控えめなのに品がある佇まい
やまざくらは、派手さはありませんが、どこか品のある佇まいを持った木です。
木肌は やわらかな黄色系の色味がベース になっていて、
その中に緑やグレー、茶色がほんのり混ざり合う表情が見られることがあります。
この自然な色の重なりが、桜の木全体の穏やかな雰囲気を感じさせます。
やまざくらは適度な硬さもあるため、縮み杢が出る場合でも控えめにあらわれることが多い木です。
強く主張しなくても、よく見ると小さく揺れるような上品な杢が見つかる、その“さりげなさ”も魅力のひとつです。
強く主張しないのに、じっと見るほど表情が豊かに見えてくる。
そんな控えめで美しい存在感が、やまざくらの魅力です。
成長・変化していく色の深み
やまざくらは、時間とともに色がゆっくりと深まっていく木です。
最初はやわらかな黄色系の明るい色味ですが、
使い込むうちに少しずつ赤みや茶色が増していき、落ち着いた表情へ変化していきます。
経年変化が穏やかなので、一気に色が変わるのではなく、
「気づいたら少し大人びた色になっていた」
そんな自然な育ち方を見せてくれます。
ペンとして毎日手に触れることで、表面にツヤが出て、
持ち主の手の温度や湿度がゆっくり染み込むように、
自分だけの一本へ育っていきます。
こうした変化は、木軸ペンならではの楽しみでもあり、
やまざくらは特に “変化がきれいに出る木” です。
どんな人におすすめか
① 新しい環境や挑戦を迎える人に
やまざくらは、どこか“軽やかで前向きな空気”を持つ木です。
新生活、転職、習い事のスタートなど、
気持ちを整えたいタイミングにそっと寄り添ってくれます。
「これからの時間を大切にしたい」
そんな人にぴったりの一本です。
② 落ち着いた色味の文房具が好きな人に
派手さはありませんが、控えめなのにしっかり美しい佇まいがあります。
緑・黄色・グレーなどのやわらかい色が自然に混ざる表情は、
机に置くだけで空気がふっと落ち着きます。
自然体で使える木軸ペンを探している人におすすめです。
③ 経年変化を楽しみたい人に
やまざくらは、ゆっくりと色が深まる木です。
毎日使うほどツヤが出て、
最初の明るい色味が少しずつ落ち着いていきます。
「自分だけの一本に育てたい」
そんな楽しみ方にぴったりです。
④ ギフトとして“やさしい印象”のものを選びたい人に
学生さん、社会人の方、男女問わず贈りやすい木です。
明るさと品のバランスがよく、
持つ人の雰囲気をそっと引き立ててくれるやさしい色味。
初めて木軸ペンを渡すギフトにも向いています。
まとめ
やまざくらの木は、派手さこそありませんが、
そっと寄り添うようなあたたかさと、静かな品のある美しさを持っています。
学生の頃の記憶や、新しい季節の気配、
そして、日本の道具に通じる“控えめで上質な佇まい”。
そんなやまざくらのイメージは、木軸ペンという小さな道具の中に、自然と息づいています。
明るい色味から、少し落ち着いた表情へと育っていく経年変化も魅力のひとつです。
使うほどに深まる色が、自分だけの時間と重なっていくような感覚があります。
もし、やさしい印象の木軸ペンを探しているなら、
やまざくらはきっと心地よい一本になってくれると思います。
手に取るたびに、ほんの少しだけ気持ちが整うような、そんな静かな力を持った木です。
わたなべ木工芸では、国産の木を中心に一本ずつ丁寧に仕上げた木軸ペンをご用意しています。
気になる方は、ぜひこちらからご覧ください。
