2026/10/08 11:30

欅は、明るく温かみのある色合いと、はっきりした力強い木目が魅力の木材です。
今回は、その木目を生かしながら色とツヤに深みを加えるため、拭き漆で仕上げました。

こんにちは。わたなべ木工芸の渡辺です。

わたなべ木工芸は、1950年の創業以来、
木工ろくろを使って木を削る仕事を続けてきました。
父の代からは漆塗りにも取り組むようになり、
私自身もこの仕事を始めてから約10年間、
漆塗りを中心に担当していました。

今回のPenman JPは、工房が長く培ってきた木を削る技術と、
漆塗りの経験を一本に生かした木軸ペンです。

この記事では、わたなべ木工芸と漆塗りの歴史、
今回使用した欅、拭き漆によって生まれた色や木目の変化についてご紹介します。

欅の漆塗りPenman JPを新発売

欅に拭き漆を施したPenman JPを新発売します。

今回使用した欅には、明るく温かみのある色合いと、欅らしい力強い木目があります。
その表情を覆い隠さず、さらに深く引き立てるために、拭き漆で仕上げました。

漆を施すことで、通常の欅よりも色に深みが生まれ、
木目の濃淡も分かりやすくなっています。

光が当たると自然なツヤが現れ、見る角度によって表情が変わることも特徴です。

Penman JPのしっかりとした金具に、欅の木目と漆の落ち着いたツヤを組み合わせた、
これまでの通常仕上げとは異なる一本になりました。

シャープペンとボールペンをご用意しています。勉強や仕事で長く使える特別な木軸ペンを探している方に、手に取っていただけたらうれしいです。

→ 欅の漆塗りPenman JPはこちら

わたなべ木工芸と漆塗り


わたなべ木工芸は、1950年の創業以来、
木工ろくろを使って木を削る仕事を続けてきました。

富山県の伝統工芸「庄川挽物木地」の工房として、器や茶道具など、
さまざまな漆器の木地を作ってきました。
もともとは木を削る仕事が中心でしたが、父の代からは漆塗りにも取り組むようになりました。

私自身もこの仕事を始めてから約10年間は、漆塗りを中心に仕事をしていました。

漆は、ただ表面に色やツヤを加えるだけではありません。
木の種類や木目、表面の状態を見ながら塗り方を調整し、
塗っては乾かす工程を繰り返します。
思いどおりに仕上げるためには、木と漆の両方を知る必要があります。

今回の欅の漆塗りPenman JPは、木工ろくろで木を削ってきた技術と、
父の代から取り組んできた漆塗りの経験を組み合わせた木軸ペンです。

木を削ることも、漆を塗ることも工房の中で積み重ねてきたからこそ、
欅の木目を生かした一本に仕上げることができます。


今回使用した欅について

今回の漆塗りPenman JPには、欅を使用しています。

欅は、明るい黄褐色からオレンジがかった色合いと、
はっきりした力強い木目を持つ木材です。
硬く丈夫なことから、古くより建築材や家具、漆器の木地などに使われてきました。

木目には一本ずつ違いがあり、流れるようにまっすぐ現れるものもあれば、
複雑に入り組んだ表情を見せるものもあります。

今回は木軸ペンに使用するため、欅の中でも木目の細かい材料を厳選しました。

木軸ペンは細い形に削るため、木目が粗い材料では、
軸の中に模様の一部分しか現れないことがあります。
木目の細かい材料であれば、限られた幅の中にも欅らしい表情が現れやすくなります。

その材料を木工ろくろで一本ずつ削り、仕上がった木目を確認してから漆を施しています。

欅は、そのままでも木らしい温かみを楽しめますが、
漆を施すことで色に深みが加わり、細かな木目がさらに引き立ちます。


欅に「拭き漆」を施した理由


今回、欅のPenman JPに拭き漆を施した一番の理由は、
欅の木目を生かしながら、漆ならではの色と艶を加えるためです。

漆を厚く塗り重ねて木地を覆う仕上げでは、木目が見えにくくなることがあります。
一方、拭き漆は、塗った漆を布で拭き取りながら仕上げるため、
天然木の表情を残すことができます。

漆を施すと、欅の木肌は漆の茶色に変わり、表面には高級感のある艶が生まれます。
それでも木目を塗りつぶしていないため、欅らしい力強い木目はしっかりと見えます。

欅は、古くから漆器の木地にも使われてきた木材です。
漆の落ち着いた茶色と艶を加えながら、欅の木目も楽しめるため、
木と漆の両方の良さを感じられます。

今回厳選した細かな木目を生かし、欅の良さをさらに引き立てる仕上げとして、
拭き漆を選びました。


拭き漆はどのような仕上げ?

拭き漆とは、木の表面に漆を塗り、余分な漆を布で拭き取って仕上げる技法です。

最初に木地の表面を丁寧に整え、漆を全体になじませます。
その後、表面に残った漆を拭き取り、温度と湿度を管理しながら乾燥させます。

一度塗って終わりではなく、漆を塗る、拭き取る、乾かすという工程を繰り返します。
薄い漆の層を少しずつ重ねることで、木目を残したまま、漆ならではの色と艶を加えていきます。

今回のPenman JPには、漆を4回塗り重ねました。

塗る回数が少ないと、漆らしい色と艶に物足りなさを感じます。
反対に、さらに塗り重ねると色が濃くなりすぎて、欅の良さが見えにくくなると判断しました。

欅の細かな木目を生かしながら、漆の茶色と高級感のある艶も感じられる仕上がりを考え、
今回は4回がちょうどよいと判断しています。

完成までには時間と手間がかかりますが、天然木の表情と漆の美しさを同時に楽しめることが、拭き漆の魅力です。


完成した欅の漆塗りPenman JP

完成したPenman JPは、漆の落ち着いた茶色と、高級感のある艶を楽しめる仕上がりになりました。

漆の色が加わることで、通常の欅とは印象が大きく変わっています。
それでも木目を塗りつぶしていないため、今回の材料に見られる細かな木目はしっかりと残っています。

光が当たると艶がはっきりと現れ、その中に欅の木目を見ることができます。
漆の美しさだけではなく、使われている木材の表情も楽しめることが特徴です。

深みのある茶色の木軸に、Penman JPの明るい金属部分が組み合わさることで、
全体が引き締まった印象になりました。

一本ずつ木目が異なるため、同じように漆を施しても、完成後の表情にはそれぞれ違いがあります。
欅の個性を残しながら、通常仕上げよりも落ち着きと高級感のある木軸ペンに仕上がっています。



シャープペンとボールペンから選べます


欅の漆塗りPenman JPは、シャープペンとボールペンの2種類をご用意しています。

どちらも真鍮製の日本製金具を使用しており、手にしたときにしっかりとした重さを感じられます。木軸の太さを保ちながら全体のバランスを整え、日常の筆記で使いやすい形に仕上げています。

<シャープペン>



シャープペンの芯径は、学校や仕事で使いやすい0.5mmです。

内部には金属製チャックを使用しており、勉強や製図、日常のメモなどでシャープペンを使う方におすすめです。
<ボールペン>

ボールペンには、標準で0.8mmの替え芯が入っています。

一般的なG2規格の替え芯に対応しているため、インクがなくなったあとも交換して使い続けられます。対応する替え芯の中から、好みの太さや書き味を選ぶこともできます。




学生や普段から鉛筆書きをする方にはシャープペン、仕事や手帳で使う方にはボールペンが選びやすいでしょう。

漆塗りの美しさを楽しむだけでなく、毎日の勉強や仕事で長く使っていただける木軸ペンです。



欅の漆塗りPenman JPはどのような方におすすめ?


欅の漆塗りPenman JPは、天然木の表情だけでなく、漆ならではの色と艶を楽しみたい方におすすめです。

<欅の木目が好きな方>
拭き漆で仕上げているため、漆の茶色と艶の中にも、欅らしい力強く細かな木目が残っています。
通常仕上げの欅よりも深く落ち着いた印象を求める方に向いています。

<漆塗りの高級感を楽しみたい方>
4回塗り重ねた漆によって、木軸には高級感のある艶が生まれました。
派手すぎない落ち着いた色合いの中に、漆塗りならではの存在感を感じられる一本です。

<日本の伝統工芸に興味がある方>
木工ろくろで削った欅に、漆を塗って仕上げています。
日本で古くから受け継がれてきた木を削る技術と漆塗りの両方を、毎日使う筆記具として楽しみたい方におすすめです。

<長く使える特別な文房具を探している方>
シャープペンとボールペンのどちらも、芯や替え芯を交換しながら使い続けられます。
自分用の特別な一本としてはもちろん、誕生日やクリスマス、進学、就職などのプレゼントにもおすすめです。



まとめ|木を削る技術と漆塗りの経験を一本に

欅の漆塗りPenman JPは、わたなべ木工芸が長く培ってきた木を削る技術と、
漆塗りの経験を組み合わせた木軸ペンです。

木軸ペンにしたときにも欅らしい表情が現れるよう、木目の細かな材料を厳選しました。
その木を一本ずつ削り、漆を塗る、拭き取る、乾かすという工程を4回繰り返しています。

漆の茶色と高級感のある艶を加えながら、欅の力強く細かな木目を残した仕上がりです。

木工ろくろを使って木を削る仕事から始まり、父の代から漆塗りにも取り組んできた工房だからこそ作れる一本になりました。
欅の木目、漆の色と艶、日本の伝統工芸の技術を、毎日使うシャープペンやボールペンとして楽しんでいただけたらうれしいです。


木軸シャーペンはこちら
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