2025/08/26 20:33

欅の木軸ペン、普通と高級の違いをご存じですか?
この記事では「杢(もく)」の魅力と、欅の選び方を職人目線で解説したいと思います。


こんにちは、わたなべ木工芸です
伝統工芸の工房で、木軸ペンを製作しています。
今回は、「高級な欅と普通の欅の違い」について解説します。

欅は日本を代表する銘木ですが、実は一本一本に個性があります。
特に「杢(もく)」と呼ばれる模様があるかどうかで、
印象や価値が大きく変わります。

欅とは?その魅力と特徴

欅(けやき)は、日本の広葉樹の中でも「銘木の王様」と呼ばれるほど人気のある木材です。
硬くて丈夫、耐久性に優れ、家具や建築材としても古くから使われてきました。
そして、欅の大きな魅力は木目の美しさと光沢感。
さらに、年月を重ねることで色に深みが増し、
経年変化を楽しめる木でもあります。

普通の欅と高級な欅の違いは?

今回ご紹介するのは、2本の欅の木軸ペン。
左が普通の欅右が高級な欅です。
この違いは、「杢」があるかどうかで決まります。

杢(もく)とは?

杢とは、まっすぐではなく複雑に入り組んだ特別な木目のこと。
自然の中で木が長い時間をかけて育つ過程で、光や風、環境の影響を受けながら生まれる模様です。
まさに、大自然がつくり出したアートと言えるでしょう。
この杢が入ることで、欅のペンは一気に高級感を増します。

普通の欅の木軸ペン
普通の欅は、濃い木目が特徴です。
今回、ご用意した普通の欅のペンはまっすぐの木目の物で作ったもの。
爽やかで明るい印象があり、シンプルさを楽しめます。
これは、これで良いのですが、
豪華さという点では少し控えめかもしれません。

「ナチュラルでスッキリしたデザインが好き」という方におすすめです。

高級な欅(杢入り)の木軸ペン
一方、高級な欅のペンは、杢の入り方が違います。
木目が細かい。
木目と木目の間にも細かい模様がでていてとても映しいですね。
この
複雑に入り組み、部分的に光沢が出て、見る角度によって表情が変わります。
これは、長い年月をかけてゆっくり成長した木にだけ現れる、自然の造形美です。
「個性や高級感を求める方」には、この杢入り欅が最適です。

欅を選ぶときのポイント

シンプルな美しさを楽しみたい方
 → 普通の欅(まっすぐな木目)

唯一無二のデザインや高級感を求める方
 → 杢入り欅(玉杢・縮み杢など)

わたなべ木工芸で現在、販売中の木軸ペンは、
この杢入り欅となっていて、「上杢(じょうもく)」と表記して販売しています。
5,500円のタイプでも、杢の入ってるけやきで作っています。


さらに、玉杢など特に珍しい杢が出ているペンも、不定期で登場します。




今回、普通のけやきのペンが予想以上に雰囲気が良かったので、
こちらも製作していこうかなと少し考えています。


まとめ

欅は、木目の入り方で雰囲気も価値も大きく変わります。
普通の欅は爽やかで若々しい印象、杢入りの欅は重厚で高級感あふれる一本です。
どちらにも魅力がありますので、ぜひお気に入りを見つけてください。
では、またー!

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