2025/09/04 11:23


「木軸シャーペン」と「杢軸シャーペン」って、言葉がすごく似ていますよね。

初めて聞いた人は「え?同じじゃないの?」って思うかもしれません。
ちなみに読み方は、どちらも「もくじく」と読みます。

ただ「木軸」は「きじく」と読んでも間違いではないんです。

(文房具好きの間では“もくじく”と呼ぶことが多いですね。)

実は、この2つにはしっかりとした違いがあります。
簡単に言うと、「木軸」は木そのものを使ったシャーペンのこと。

一方で「杢軸」は、その中でも特別な木目模様――“杢(もく)”が入ったものを指すんです。

今日はこの「木軸」と「杢軸」の違いを、職人目線でわかりやすく解説していきますね。

木軸シャーペンとは?

「木軸シャーペン」というのは、その名前のとおり“木の軸”を使ったシャーペンのことです。

欅(けやき)や山桜、ウォールナットなど、いろんな種類の木を削り出して軸にしているんですね。
木の手触りはあたたかく、長時間の勉強や仕事でも手にしっくりなじみます。
プラスチックや金属のシャーペンと比べると、持ったときの感覚がやさしくて、
書く時間がちょっと特別になるんです。
さらに、木はひとつひとつ木目や色合いが違うので、同じ樹種でも表情が変わります。
「自分だけの1本」に出会えるのも、木軸ならではの魅力ですね。


杢軸シャーペンとは?

「杢軸(もくじく)シャーペン」というのは、
木軸シャーペンの中でも“特別な模様=杢(もく)”が入ったものを指します。

杢(もく)というのは、木目の中に現れる不思議な模様のこと。

たとえば、波打つような「縮み杢(ちぢみもく)」や、玉のように丸い模様が連なる「玉杢(たまもく)」、
まるで羽を広げたような「孔雀杢(くじゃくもく)」などがあります。

これらの杢は自然が長い年月をかけてつくり出した偶然の産物。

だからこそ希少で、同じ模様はふたつとない“一点もの”なんです。
木軸が“木の温かみを楽しむシャーペン”だとすれば、杢軸は“芸術的な木目を楽しむシャーペン”。
コレクションやプレゼントに選ばれることも多い、特別な存在です。


違いをまとめると?

ここまでを整理すると、違いはとてもシンプルです。

木軸シャーペン … 木で作られたシャーペンの総称
杢軸シャーペン … 木軸の中でも、特別な木目模様(杢)が入ったもの

つまり、木軸が“大きなグループ”だとすれば、杢軸はその中の“プレミアムライン”というイメージです。
日常使いにぴったりなのが木軸、
特別感やコレクション性を楽しみたいなら杢軸――。
どちらを選んでも、木ならではの手触りや経年変化はしっかり味わえます。

選び方のヒント

「木軸」と「杢軸」、どっちを選んだらいいか迷う方も多いと思います。

そんなときの目安を、ちょっとご紹介しますね。

<初めて木のペンを持つなら>

扱いやすくて価格も手頃な「木軸」がおすすめ。普段使いにもピッタリです。

 <プレゼントや特別な1本が欲しいなら>
世界にひとつだけの模様が楽しめる「杢軸」を選ぶと喜ばれます。
特にギフト用だと、“一点物感”が強く伝わるので印象的です。

<コレクションとして楽しみたい方は>

珍しい杢や希少な樹種の杢軸は、まさに“出会い”のようなもの。
お気に入りを見つける楽しみがあります。

結局は「日常に寄り添う木軸」か「特別感のある杢軸」か――。
自分の使い方やシーンに合わせて選ぶのが一番です。

まとめ

「木軸シャーペン」と「杢軸シャーペン」。
言葉は似ていますが、その意味はしっかり違います。

・木軸シャーペン … 木材で作られたシャーペン全般
・杢軸シャーペン … 木軸の中でも、特別な木目模様(杢)が入ったもの

木軸は普段使いにぴったりで、毎日の勉強や仕事を少し特別にしてくれます。

杢軸は“一点物”の美しさを楽しめるので、ギフトやコレクションに最適です。

ただし、この区別はあくまで“わかりやすさのため”の表現です。

実際には、杢入りのペンであっても「木軸」と表記することもありますし、作り手によって使い分けはさまざま。

私自身も、お客様に伝わりやすいようにあえて「木軸」として紹介することがあります。(けやきなど)

つまり、「木軸」と「杢軸」を厳密に線引きする必要はなく、
大切なのは“木という素材をどう楽しむか”かなと。

ぜひ、自分に合った一本を見つけて、長く愛用してみてくださいね。
では、またー。