2025/09/06 21:56


欅(けやき)は、日本の暮らしをずっと支えてきた木です。
神社やお寺の建築材、家具、さらには太鼓の胴などにも使われてきました。

当工房「わたなべ木工芸」は、75年前に漆塗りの器の木地(きじ)を製作する伝統工芸の工房として創業しました。
長い歴史の中で最も多く扱ってきたのが、この欅という木です。
そのことからも、欅が日本の暮らしや工芸においてどれほど重要な存在だったか、
感じていただけるのではないでしょうか。

そんな欅を、手のひらに収まる筆記具として仕立てたのが「欅の木軸シャーペン」や「木軸ボールペン」。

日常の道具でありながら、どこか凛とした存在感を放ち、持つ人にちょっと特別な気持ちを与えてくれます。

この記事では、欅を使った木軸シャーペンを中心に、
その特徴や魅力を職人の視点からわかりやすくご紹介します。
ボールペン派の方にも参考になる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

欅という木の特徴

欅(けやき)は、古くから「日本を代表する広葉樹」として知られています。

その最大の特徴は、強さと美しさを兼ね備えていること。

丈夫で長持ちする木
欅は非常に硬く、耐久性があります。
昔から家の柱や梁、神社仏閣の建築材として選ばれてきたのもそのためです。

この強さは木軸ペンになっても変わらず、毎日使っても傷が目立ちにくく、安心して長く使えるのが魅力です。

力強くはっきりとした木目
欅のもう一つの特徴は、はっきりと浮かび上がる木目模様。

木目の表情は一本ごとに違い、素朴で落ち着いたものから、力強く存在感のあるものまでさまざまです。

そのため、シャーペンやボールペンとして仕立てたときにも「自然が作りだした模様」を楽しむことができます。

温かみのある色合い
色は明るい黄褐色から赤みを帯びたものまで幅広く、
光の当たり方や経年変化によって深みが増していきます。

新品のときの爽やかな色合いも良いですが、使い込むほどに艶が出て「自分だけの一本」に育っていくのも大きな魅力です。

木軸シャーペンとしての魅力

欅を使った木軸シャーペンやボールペンには、他の素材では味わえない魅力があります。
ただ「書くための道具」というだけでなく、日常を少し特別にしてくれる存在です。

① 毎日使っても安心の耐久性
欅は硬くて丈夫な木材。
シャーペンやボールペンとして仕立てても、傷がつきにくいのが特徴です。
勉強や仕事で毎日たくさん使っても安心して長く使えるのは大きなメリットです。

② 握るたびに感じる心地よさ
木のペンならではの「ぬくもり」と、欅特有の適度な重みと安定感。

金属や樹脂のペンと違い、長時間書いても手に馴染みやすく、自然と使いたくなる一本になります。

③ 使うほどに深まる表情
新品の時は明るく爽やかな色合いですが、使い込むほどに艶が増し、色合いが深く(濃く)なっていきます。

まるで「自分と一緒に成長していくペン」のように、年月とともに愛着が増していくのも魅力のひとつです。

初心者にもおすすめできる理由

欅の木軸ペン(シャーペン&ボールペン)は、「最初の一本」にふさわしい存在です。

丈夫で長く使える
欅は硬くて強い木材で、昔から家の柱や家具などに使われてきました。
毎日使うペンにしても傷がつきにくく、安心して長く使えるのが魅力です。

木目がはっきりして“木らしさ”を感じられる
欅は木目がはっきりしていて表情豊か。
ペンに仕立てたときも「木ってこんなに面白いんだ」と感じやすい素材です。

日本の暮らしに根ざした木だから、覚えたらあちこちで出会える
欅は神社仏閣や家の柱、家具、器など、日本の生活の中で本当に多く使われてきた木。
だからこそ、一度「欅」という名前を覚えると、
街のあちこちや身近な暮らしの中で目にする機会が増えていきます。
僕自身も、最初に覚えた木が欅で、
それをきっかけに「ここにも欅が使われているんだ」と気づくのが楽しくなり、
自然と木を見るのが好きになりました。
欅はまさに、木を好きになる入口として最適な木だと思います。

杢(もく)の楽しみ方

欅の木軸ペンの魅力は、木目の美しさだけではありません。
ときどき現れる「杢(もく)」と呼ばれる特別な模様に出会えるのも、大きな楽しみのひとつです。

玉杢やサバ杢などとの出会い
欅は、木の成長の過程や環境によって「玉杢(たまもく)」や「サバ杢」といった独特の模様を見せることがあります。
木の成長過程で偶然に現れる特別な模様は、まるで自然が生んだアート作品のような表情です。

一点物としての価値
同じ欅でも杢が現れるかどうかはわかりません。
その偶然性が、木軸ペンを「世界にひとつだけの一本」にしてくれます。

シンプルな木目の美しさを楽しむのも良いですし、杢入りのものに出会えたら特別なギフトや記念品にも最適です。

日常の中で特別感を
毎日使うペンだからこそ、ちょっとした特別感があると気持ちが変わります。
杢の入った欅のペンは、書くたびに自然の表情を感じさせてくれ、日常の時間を少し豊かにしてくれるでしょう。


こんな方におすすめ

学生さんの勉強用に
毎日たくさん文字を書く学生さんには、丈夫で傷がつきにくい欅のペンがぴったりです。
明るく爽やかな木目は飽きが来ず、長時間の筆記でも手に馴染んでくれます。

社会人のビジネスシーンに
落ち着いた色合いと力強い木目を持つ欅は、会議や商談の場でも自然に馴染みます。
シンプルながら存在感があり、さりげなく個性を演出できます。

ギフト用として
「特別感のある贈り物をしたい」と思ったときにも、欅の木軸ペンはおすすめです。
昔から日本の暮らしに寄り添ってきた木だからこそ、年齢や性別を問わず贈りやすく、
さらに杢(もく)の入ったものなら“一点物”の価値を持つギフトになります。

木に興味を持ち始めた方に
欅は木目がはっきりしていて、日本のあちこちで出会える身近な木です。
最初に欅を覚えると「ここにも欅がある」と気づけるようになり、
木を見るのが楽しくなります。欅の木軸ペンは、木を好きになる入り口を求める方にぴったりです。

お手入れと長く使うコツ

欅の木軸ペンは丈夫で扱いやすい木ですが、
ちょっとしたお手入れをすることで、より長く、そして美しく使い続けることができます。

乾拭きで十分
普段のお手入れは、柔らかい布で軽く乾拭きするだけで大丈夫です。
手の油分が木に染み込み、自然な艶が生まれていきます。

オイルやワックスでプラスのケア
ときどき木工用のオイルや蜜蝋ワックスを薄く塗ってあげると、
表面にしっとりした艶が出て、汚れや乾燥から守ってくれます。
特に冬場の乾燥する季節には効果的です。

経年変化を楽しむ
欅は最初は明るい色合いですが、使い込むほどに色が落ち着き、深みを増していきます。
小さな傷や艶の変化も「自分だけの一本」に育っていく証。
お手入れは“きれいに保つため”だけでなく、“変化を楽しむため”と考えると、より愛着が湧いてきます。

まとめ

欅(けやき)は、日本を代表する銘木として昔から暮らしの中で大切にされてきました。

丈夫で長持ちし、はっきりとした木目が美しく、
使い込むほどに深みを増していく——そんな魅力を持つ欅を木軸ペンに仕立てることで、
日常に少し特別な時間をもたらしてくれます。

・毎日使える安心感のある耐久性
・ 手に馴染む心地よさと経年変化
・木目や杢(もく)の美しさ
・初心者にもおすすめできるバランスの良さ

欅の木軸シャーペンやボールペンは、
学生さんの勉強道具として、社会人のビジネスシーンでの愛用品として、
または大切な人への贈り物として——どんな場面でもおすすめできる心強い一本です。

欅とともに過ごす時間が、あなたの毎日を少し豊かにしてくれることを願っています。
では、またー!