2025/10/17 16:39
今回、使った材料はこちらです。
タイトルにもある通り「栗(くり)」の木です。
栗の木は、日本の木らしい明るい色と真っ直ぐで素直な木目が出る木なんですが、
この栗の木には「縮み杢(ちぢみもく)」という
特別な模様がでています。


縦に出ている線が「木目(もくめ)」で
横にでている模様が「縮み杢」です。
縮み杢は、木が強い風や雪の重み、傾斜地での生育などで幹が揺さぶられ、
横にでている模様が「縮み杢」です。
縮み杢は、木が強い風や雪の重み、傾斜地での生育などで幹が揺さぶられ、
その結果、木の繊維がまっすぐ伸びず「ゆらゆら」と波打つように成長することによって
できると言われています。
できると言われています。
比較的、柔らかい木(栃や楓など)にでやすい模様なんですが、
栗は硬い木。
栗は硬い木。
なので、縮み杢がでている栗の木はとても珍しく希少価値が高いんですね。

ペンの大きさにするとこんな感じ。
木目も縮み杢も細かいのでとてもいい感じになりそう!

縮み杢の栗は、普通の栗よりも硬く感じます。
刃物も入りにくく感じるんですね。
縮み杢は、繊維がまっすぐではなく波打ちながら細かく入り組んでいます。
そのため、木全体としては「繊維がギュッと締まって絡み合っている」ような状態になり、
・刃物を当ててもスッと入らず、少し抵抗を感じる
・割れにくく、しっかりとした質感になる
・表面を触ると、普通の材よりも密でしまっている印象を受ける
こうした理由で、作っていても、使っていても「硬い」と感じます。
硬いということは、木のペンにした時には
傷が付きにくいのでメリットになるんですね。
傷が付きにくいのでメリットになるんですね。
そして、完成したものはこちら。

パッと見た感じには、普通の木のペンかなと思いますが、
光の当たり方によって波のように揺らめく模様が現れます。

横に走ってる模様が縮み杢の揺らぎ模様です。
写真や動画ではなかなか伝わらないんですが、光の角度によってキラキラと光って見えます。
これは、木の繊維が波打つことで、光が当たる角度ごとに反射が変わるからなんですね。
イメージとしては、絹(シルク)のように滑らかに輝きます。
すごく綺麗です。
栗の縮み杢の杢軸ペンの良いところ
最後に栗の縮み杢の木軸ペンの良いところをまとめたいと思います。
1. 明るく優しい色合い
栗は黄褐色〜明るいベージュ調の色合いで、重たさがなくナチュラル。
縮み杢が加わることで「優しい表情に奥行き」が生まれます。
→ 「明るく柔らかな色に、光を受けると揺れるような杢目が浮かび上がります。」
2. シルクのような光沢
縮み杢特有の光沢は、まさにシルク布のよう。
栗の落ち着いた色調と合わさると、派手すぎず上品に見えます。
→ 「絹のように柔らかい光沢が、手元に気品を添えます。」
3. 硬さと安心感
栗は古くから建材としても使われてきたほど丈夫です。
縮み杢が現れる部分は繊維が複雑に絡み合っているため、より締まった印象があります。
そのため硬くて傷がつきにくく、毎日の使用にも安心です。
→ 「ギュッと締まったような質感で、硬く傷つきにくいので長く愛用できます。」
4. 細やかな杢の動き
栃や楓に比べると栗の縮み杢はおだやかで、細かく優しい波模様が多い傾向。
控えめながら使うほどに味わい深くなります。
→ 「派手すぎない揺らぎが、毎日の相棒として飽きずに楽しめます。」
5. 経年変化の楽しみ
栗は使い込むと徐々に色が深く落ち着き、杢目のコントラストがより引き立ちます。
→ 「年月とともに色艶を増し、杢目がより立体的に映えていきます。」
栗の縮み杢って、本当に自然がつくり出した偶然のアートなんですね。
派手すぎず、やさしく光る感じが手元をふわっと彩ってくれて、
使えば使うほど深みが出てきます。
一本一本ちょっとずつ表情が違うので、「自分だけの一本」になりますよ。
では、またー!
では、またー!
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