2025/10/24 12:15

最終更新日:2026年10月9日
木のぬくもりを感じられる木軸ペン。
その仕上げ方法には「オイル仕上げ」「ワックス仕上げ」、そして「漆塗り(うるしぬり)」など、
いくつかの種類があります。
同じ木を使っていても、仕上げによって見た目や手触り、お手入れ方法は変わります。
その中でも漆塗りには、木を保護する働きや、高級感のある艶など、独自の特徴があります。
こんにちは。わたなべ木工芸の渡辺です。
創業76年の伝統工芸の工房で木のペンを作っています。
わたなべ木工芸では、木目の美しい欅に拭き漆を施した「Penman JP」を製作しています。
私自身、もともと漆塗りの器を作っていたので、その経験を木軸ペンの仕上げにも活かしています。
この記事では、職人の立場から「漆塗りの木軸ペンは何が違うのか?」をわかりやすくお話しします。
オイル仕上げとの違いや、時間とともに漆の色が明るくなる経年変化、
長く美しく使うためのお手入れ方法もご紹介します。
漆塗りの木軸ペンが気になっている方や、仕上げの違いを知ってから選びたい方は、
ぜひ参考にしてみてください。
漆塗りは“木を守る”仕上げ

木軸ペンの仕上げには、「オイル仕上げ」や「ワックス仕上げ」など、さまざまな方法があります。
その中でも「漆塗り」は、木を美しく見せながら、しっかりと守るという点で特徴のある仕上げです。
オイル仕上げや蜜蝋ワックス仕上げは、木の内部に成分を染み込ませたり、
表面に保護層をつくったりする方法です。
自然な手触りと温かみが魅力ですが、使ううちに表面の油分やワックスが少しずつ減っていきます。
そのため、木が乾いてきたと感じたときに塗り直すことで、艶や手触りを保ちます。
一方、漆の場合は、塗ったあとに硬化して丈夫な保護膜をつくります。
この膜が、手汗や水分、汚れを木に染み込みにくくしてくれます。
毎日手で握って使う木軸ペンにとって、この保護の働きは良いところですね。
わたなべ木工芸の漆塗りのPenman JPは、木目を活かす「拭き漆」で仕上げています。
漆を塗って余分な漆を拭き取る工程を重ねることで、欅の木目を楽しみながら、
木の表面を保護できます。
色は漆の茶色になり、高級感のある艶がでるのも特徴です。
ただし、漆塗りでも、水に濡れたままにしたり、高温になる場所に置いたりするのは避けてください。
濡れたときは拭き取り、保管場所に少し気を配ることが大切です。
漆塗りの木軸ペンは、見た目の美しさだけでなく、毎日使うための実用性も備えた仕上げです。
時間とともに漆の色が明るくなる

漆塗りの木軸ペンのもう一つの魅力は、時間の経過とともに色合いが変わっていくことです。
拭き漆で仕上げた木軸は、最初は漆の茶色をしています。
そこから年月を重ねると、漆の色が少しずつ明るくなり、透明感が増していきます。
それによって、下にある木目も見えやすくなります。
買ったときの色合いを楽しむだけでなく、その後の変化も楽しめるのが、漆塗りの良いところですね。
わたなべ木工芸の漆塗りのPenman JPは、欅の木目を活かした仕上げです。
時間が経つにつれて漆の色が明るくなると、欅の木目の表情も、
仕上げたときとは違って見えてきます。
変化の早さや見え方は、保管場所や使う環境によっても異なります。
すぐに大きく変わるものではありませんが、長く使ってから見返すと、
「最初より明るくなったな」と感じることがあります。
毎日使っていると、小さな変化には気づきにくいかもしれません。
購入したときに写真を残しておくと、後から見比べる楽しみもあります。
木目と漆の艶を楽しみながら、少しずつ明るくなっていく色合いも、
じっくり味わっていただけたらうれしいです。
オイル仕上げとの違いを整理してみる

木軸ペンの仕上げとして使われる「オイル仕上げ」と「漆塗り」。
どちらも木の美しさを引き出す方法ですが、見た目や手触り、お手入れ方法には違いがあります。
ここでは、代表的な違いを整理してみましょう。
| 比較項目 | 漆塗り(拭き漆) | オイル仕上げ |
|---|---|---|
| 見た目 | 漆の茶色と、高級感のある艶を楽しめる | 木そのものの色合いと、自然な艶を楽しめる |
| 手触り | なめらかな手触り | 木の質感を感じやすい自然な手触り |
| 経年変化 | 時間とともに漆の色が明るくなり、木目が見えやすくなる | 樹種によって色が濃くなったり、手で触れることで艶が変わったりする |
| 木の保護 | 硬化した漆の膜が、水分や汚れを染み込みにくくする | オイルが木に染み込み、表面を保護する |
| お手入れ | 基本は柔らかい布で乾拭き。オイルやワックスの塗布は不要 | 乾拭きに加え、乾燥が気になったときにオイルやワックスを塗る |
| 価格 | 塗りと乾燥を繰り返すため、手間と時間が価格に加わる | 漆塗りと比べると、仕上げにかかる工程が少ない |
※手触りや艶は、木の種類や仕上げ方によっても異なります。
オイル仕上げは、木そのものの色や質感を味わいたい方にぴったりです。
お手入れをしながら、木の色や艶が変わっていく様子も楽しめます。
一方、漆塗りは、漆ならではの茶色と艶を楽しみたい方におすすめです。
普段は乾拭きで使え、時間とともに色が明るくなる変化も魅力です。
どちらを選ぶかは、「見た目や手触りの好み」と「お手入れの仕方」が目安になるのかなと思います。
わたなべ木工芸のPenman JPにも、オイル仕上げと拭き漆仕上げがあります。
同じ欅でも仕上がりの印象は変わるので、好きな雰囲気から選んでみてください。
お手入れは「柔らかい布で拭く」くらいでOK!
漆塗りの木軸ペンは、基本的に特別なお手入れをしなくても使えるのが大きな魅力です。
オイル仕上げやワックス仕上げの場合は、乾燥が気になったときに塗り直しますが、
漆はすでに木の表面に保護膜をつくっています。
漆はすでに木の表面に保護膜をつくっています。
そのため、オイルや蜜蝋ワックスを塗る必要はありません。
普段のお手入れは、使ったあとに柔らかい布で軽く拭く程度で十分です。
手汗や汚れが気になったときも、やさしく拭き取ってください。
難しいお手入れをしなくても、毎日の筆記具として使いながら、漆の艶や色の変化を楽しめます。
【長持ちさせるためのポイント】
少し気をつけていただきたいのは、使い方と保管場所です。
<直射日光に長時間当てない>
漆の退色や劣化につながるため、日差しが当たり続ける窓辺などは避けてください。
<水に濡れた場合は拭き取る>
漆塗りでも、濡れたままにしておくのは避けましょう。柔らかい布で水分を拭き取ってください。
<研磨剤入りの布やペーパーでこすらない>
表面の漆を傷めることがあります。艶を出そうとして強く磨く必要はありません。
<高温多湿な場所での長期保管は避ける>
真夏の車内など、高温になる場所に置いたままにしないようにしてください。
漆は丈夫な塗膜をつくりますが、熱や紫外線には気をつけたい素材です。
とはいえ、扱いが難しいというわけではありません。
普段は柔らかい布で拭き、置く場所に少し気を配る。そのくらいで大丈夫です。
職人が感じる漆塗りの魅力

漆塗りの良さは、仕上がったときの美しさと、その後の変化の両方を楽しめるところだと思います。
木目を活かして拭き漆で仕上げると、色は漆の茶色になり、高級感のある艶がでます。
同じ欅でも、オイル仕上げとは違った印象になるんですね。
わたなべ木工芸では、木の良さを活かす仕上げを大切にしています。
漆塗りのPenman JPも、木目の良い欅を選び、その木目を楽しめるように仕上げています。
私自身、もともと漆塗りの器を作っていたので、木と漆の相性の良さは、長く仕事をする中で感じてきました。
それを毎日使うペンでも楽しんでもらえたらうれしいです。
そして、仕上げたときの色が、ずっとそのままというわけではありません。
時間が経つにつれて漆の色が少しずつ明るくなり、木目も見えやすくなっていきます。
最初の落ち着いた茶色も、年月を重ねたあとの明るい表情も、それぞれに良さがあります。
ひとつとして同じ木目はなく、使う環境によって色の変化にも違いがあります。
まるで“自分だけの一本を育てていく”ような感覚が、漆塗りの木軸ペンの面白さだと思います。
まとめ
漆塗りの木軸ペンは、見た目の美しさだけでなく、木の表面を保護し、
時間とともに色の変化を楽しめるという魅力があります。
仕上げたときの漆の茶色と、高級感のある艶。
そして、年月を重ねるうちに少しずつ色が明るくなり、木目が見えやすくなっていく。
その変化を感じられるのも、拭き漆ならではの楽しみです。
オイルやワックスを塗り直す必要はなく、普段のお手入れは柔らかい布で軽く拭くだけ。
保管場所に少し気を配りながら、毎日の筆記具として使っていただけます。
わたなべ木工芸では、木目の美しい欅を選び、拭き漆で仕上げた「Penman JP」を製作しています。
木の表情と漆の艶を楽しみたい方、長く大切に使える一本を探している方は、ぜひご覧ください。
手に取ったときの美しさも、その後の色の変化も楽しみながら、
自分だけの一本として使っていただけたらうれしいです。
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