2026/01/16 17:19

紫檀(したん)は、「高級」という言葉がいちばんしっくりくる木だと感じます。
こんにちは。
わたなべ木工芸の渡辺です。
創業76年、もともとは漆器の工房として続いてきた工房で、現在は木軸ペンを作っています。
紫檀は、英語では**ローズウッド(Rosewood)**とも呼ばれ、
世界的にも、昔から大切に扱われてきた木です。
日本では昔から、仏壇や高級家具など、
長く使うもの、きちんと残したいものに選ばれてきた木になります。
実際に木軸ペンの材料として使うと、縮み杢(ちぢみもく)がでている材料みたいな派手さはないですが、
上品で存在感を感じます。
使い込むほどにツヤが増し、色味も少しずつ深くなります。
性別を問わず使いやすいのも、紫檀のいいところです。
学生さんの勉強用にも、
大人の仕事用にも、自然と馴染んでくれます。
ここからは、
そんな紫檀が、どんな場所で育ち、
どんな背景を持った木なのかを、
少しだけ掘り下げていきたいと思います。
【産地】
紫檀は主に、東南アジアや南アジアの温暖な地域で育つ木です。
特にインドやインドネシア周辺が有名で、成長には長い年月がかかります。
日本の木ではありませんが、
古くから日本に輸入され、
大切なものを作るための特別な木として扱われてきました。
湿度のある日本の気候でも安定しやすく、その点も重宝された理由のひとつです。
【歴史・文化】
紫檀は、黒檀(こくたん)・鉄刀木(たがやさん)と並び
「唐木三大銘木(からきさんだいめいぼく)」のひとつに数えられます。
仏壇、仏具、高級家具、床柱など、
格式や品格が求められる場面で使われてきました。
「長く使い、受け継ぐもの」に選ばれてきた木とも言えます。
派手さではなく、信頼される重み。
それが紫檀の立ち位置なのかもしれません。
【特徴・性質】
紫檀はとても硬く、粘りのある木です。
加工は簡単ではありませんが、その分、仕上がりは安定感があります。
表面はきめ細かく、磨くほどに自然な艶が現れます。
木軸ペンにすると、
指に吸い付くような、しっとりとした手触りが特徴です。
【木目】
紫檀の木目は、比較的おだやかで落ち着いた印象。
派手な杢(もく)が出ることは少ないですが、
その分、色の深みと質感で魅せる木です。
中には、うっすらと縞(しま)模様が現れる個体もあり、
光の当たり方で表情が変わるのも魅力のひとつです。
【色】
紫檀の色は、深みのある赤褐色(せきかっしょく)。
新品の状態でも落ち着いた色合いですが、
使い込むことで、さらに色は濃くなり、艶が増していきます。
手の油分や光の影響で、
少しずつ色が締まり、
「育っている」と感じられる変化を楽しめます。

【匂い】
ほとんど無臭ですが、
削った直後には、わずかに甘く、落ち着いた香りを感じることがあります。
強い匂いではなく、ふと気づく程度です。
【硬さ】
紫檀は、木材の中でもかなり硬い部類に入ります。
そのため、木軸ペンにすると
・傷がつきにくい
・形が崩れにくい
・長く使える
といった安心感があります。
書いているときも、しっかりした書き味を感じやすいです。
【用途】
日本では、仏壇や仏具、高級家具など、
「長く使うことを前提としたもの」に使われてきました。
わたなべ木工芸でも、
紫檀は「落ち着いた一本を持ちたい方」に選ばれることが多い木です。
仕事用、記念品としても人気があります。
【希少性】
紫檀は成長が非常に遅く、
現在では良質な材料の入手が年々難しくなっています。
そのため、同じ紫檀でも
色味や木目は一本一本違います。
まさに一期一会の出会いです。
【経年変化】
紫檀は、時間とともに
・色が深くなる
・艶が増す
・手触りがなめらかになる
という変化を見せてくれます。
新品の美しさも良いですが、
数年使ったあとの落ち着いた表情は、また格別です。
「使うほどに、自分の一本になっていく」
そんな楽しみ方ができる木です。
【まとめ】
紫檀は、
派手さはないけれど、確かな品格を感じる木。
静かに寄り添い、
長く、安心して使える。
そんな木軸ペンを探している方に、ぜひ触れてほしい素材です。
当工房で制作している紫檀の木軸ペンも、
一本一本、木の表情を見ながら仕立てています。
もしご縁がありましたら、
あなたの手で、この木の時間を育ててみてください。
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